200文字小説コンテスト
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雨にぬれても
投稿時刻 : 2014.03.31 23:36
字数 : 200
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雨にぬれても
志田玉路


 壁越しに砂利を踏む音がして、追手の気配を感じた。
 銃の残弾を幾度も確かめたが、残りは一発。外したら一巻の終わり。思わず喉が鳴た。
 瞼を閉じると、眼裏にあいつの顔が浮かぶ。

「あたし、いつまでも待てる」

 そうだ。あいつが待ている。二人で街を出るんだ。ここで斃れたら明日はない。
 深く息をして覚悟を決めると、銃把を握り直し壁の向こうへと躍り出た。


 二つの銃声が交わり響いた。そして、静寂の雨が辺りを濡らした。
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