第20回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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覆面
投稿時刻 : 2014.08.31 15:18
字数 : 1000
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覆面
三和すい


 魔王から解放された町は、連日お祭のような騒ぎだた。
 だが、夜遅くともなると多くの通りから人の姿が消え、辺りはしんと静まり返ている。
 静寂と暗闇に包まれた裏道を、一つの人影が町の外に向かて歩いていた。
「一人でどこに行くつもりですか、ペンギンさん?」
 人目を避けて歩く人影に、ブンタ少年は声をかけた。
……私は、もうペンギンではないよ」
 男は立ち止まりふり返る。
「ここにいるのは国を救たペンギンではない。かつてこの国で罪を犯した酔いどれ剣士だ。これ以上、ここに留まるわけにはいかない」
「でも、あなたがいてくれたから魔王を倒すことができたんですよ!」

 そう、あの時。
 仲間たちの武器とともに魔王に戦いを挑んだ時、不覚にもブンタ少年はつまずいてしまた。バランスを崩し、頭に乗せていた白菜がゴロゴロと魔王の前に転がる。
 その白菜を目にした魔王は、怯え叫んだ。
 なんと魔王の弱点は、白菜だたのだ。
 ブンタ少年はそれに気付き、出刃包丁で素早く白菜をゴルフボール状に切た。小さく刻まれた白菜を、人間に戻た酔いどれペンギン剣士がゴルフクラブで魔王に打ち込む。白いボールと化した白菜は一直線に飛び、ますぐ魔王の口の中へと入ていた。
  グオオ……
 白菜に豊富に含まれる食物繊維・ビタミンC・ミネラルなどが効いたのか、魔王は塵となり消えてしまた。

「あなたがいなかたら魔王は倒せなかたのに、あなただけが国を追放されるなんて……と一緒だと思ていたのに……
 国の名士だという男がやて来て、人の姿に戻た酔いどれペンギン剣士に言たのだ。命が惜しくば今すぐこの国を去れ、と。
 悔し涙をこらえるブンタ少年の頭を、男はそとなでた。
 ブンタ少年は、魔王を倒すため異世界から召喚された。だが、帰る方法がわからないという。他の仲間たちがそれぞれの故郷に戻れば、彼は一人残されてしまう。
「では、こうしよう。しばらく私はCという町にいる。ただし名前と顔を隠してだ。その間に私を見つけられたら、一緒に元の世界に帰る方法を探しに行こう」
「必ず見つけます!」
「楽しみにしているよ」
 そう言うと、酔いどれ剣士は夜の闇へと消えていた。


【効果と宣伝】
 このカードを使うと、一時的に正体を隠すことができる。
 ちなみに、ペンギンの名前を隠したオンライン作家が、現在「覆面作家企画6」のCブロクに潜伏中。
 はたしてあなたは見つけることができるだろうか?
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