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わかってくれないよ!
大沢愛
投稿時刻 : 2014.10.11 18:57
字数 : 3304
5
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コメント
2014.10.19 00:27

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 「和歌って紅」…このお題の消化法は予想できなかった! そして笑いが取れない感での幕切れも痛面白い! うん、一等賞! …この時代の人間にわかってもらうために派遣だのメールだの、女傑文豪が必死こいてお勉強されたのかと思うと面白いやら感動するやら痛々しいやらですね。知性派女子同士のマウンティングはリアルなキャットファイトよりも壮絶なんですねぇ、昔から…というか死後も…おぉ怖。そしてそんな争いとは別の峰で遥か高みにいる感性派女子への羨望と敗北感。実際に歌が恋愛のツールだった頃ゆえに、見目麗しさ以上にその才が重要で羨ましかったんだろうなぁと思うと、納得です。…しかしこの饒舌な幽霊、誰がいつどこで呼び出したのだろう?
2014.10.19 00:27

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 「和歌って紅」…このお題の消化法は予想できなかった! そして笑いが取れない感での幕切れも痛面白い! うん、一等賞! …この時代の人間にわかってもらうために派遣だのメールだの、女傑文豪が必死こいてお勉強されたのかと思うと面白いやら感動するやら痛々しいやらですね。知性派女子同士のマウンティングはリアルなキャットファイトよりも壮絶なんですねぇ、昔から…というか死後も…おぉ怖。そしてそんな争いとは別の峰で遥か高みにいる感性派女子への羨望と敗北感。実際に歌が恋愛のツールだった頃ゆえに、見目麗しさ以上にその才が重要で羨ましかったんだろうなぁと思うと、納得です。…しかしこの饒舌な幽霊、誰がいつどこで呼び出したのだろう?
2014.10.20 23:34

muomuoさん への返信
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コメントありがとうございます。
お題消化および語り手の清少納言について言及してくださって、本当に感謝しております。
橋本治氏が「桃尻語訳 枕草子」を出されてから30年近く経ちます。一見、意訳に見えて実はかなりきちんとした直訳、という意欲的な試みでした。冒頭部分、「春はあけぼの」を「春ってあけぼのよ!」と訳されたのを読んだ衝撃は忘れられません。そこから「和歌は紅」→「和歌って紅よ!」が派生しました。これでは語り手が清少納言というのはみえみえでしたので、あえて時代をスリップさせて現代に。そうしないと本文そのものも古文で書く必要が出てきて、リーダビリティにもかかわってきます(数時間で全文を古文、というのは、日文出身とはいえ近代文学専攻の身にはいささかきついです)。多くの死者を迎え続けて1000年、現代においても相変わらずの姿を見せた、と言うところでしょうか。藤原道長のお気に入りだった紫式部とは違い、清少納言は実は正式な女官ではなかったんですね。これを「正社員」「派遣」に置き換えて、教養勝負の二人の対立に見立てました。それに対して和泉式部は完全に天然の人で、しかも和歌に関してはやはり別格です。小説でもそうですが、教養は素晴らしいですがどうも心に響かない作家がいるかと思えば、教養はイマイチでも刺さって来る作家もいます(ヤバくて実例は出せませんが)。前者は後者を理詰めで圧倒しようとしますが、しきれません。本当にすぐれた作品を否定することは、自らの鑑識眼をも否定することになりますので(三島由紀夫の太宰治嫌いは有名ですが、あるとき大藪春彦が三島に向かって「じゃあお前は太宰の『お伽草紙』を否定できるのか!?」と詰め寄ったところ、一言も言い返せなかったそうです)。そんな三者の関係を短いお話にしてみました。正直、「和歌って紅よ!」からの連想で組み上がった作品です。ご笑覧頂ければ幸いかと存じます。
最後に、「この饒舌な幽霊、誰がいつどこで呼び出したのだろう?」はもちろん、小説を書くことで修練や才能の問題に直面している多くの方々の無意識によって呼び出された、ということで。
長文、失礼しました。
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