てきすとぽい
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てきすと怪 2015
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とあるファイナリストの告白
(
伝説の企画屋しゃん
)
投稿時刻 : 2015.08.01 21:24
字数 : 1176
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とあるファイナリストの告白
伝説の企画屋しゃん
君たちがこのメー
ルを読む頃、僕はどうな
っ
ているのだろう。
受賞したのか、あるいは一歩及ばなか
っ
たのか。
かりに後者だとしても落胆する結果ではないことは、君たちもよく知
っ
ていると思う。
そして前者であるなら、君たちに心から感謝したい。
君たちといた時間が今回の小説を作らせてくれた。
最終選考に残
っ
たことよりも、僕はむしろそちらのほうが誇らしい。
だから、これから話すことはせめてもの誠意だと受け取
っ
てほしい。
あの小説を書いたのは、僕ではないのかもしれない。
いや、僕であ
っ
て僕ではないというべきか。
いずれにせよ、君たちには何を言
っ
ているのか理解に苦しむところだろう。
僕に残された時間はもう少ない。
僕はもうじき完全に別人にな
っ
てしまうのさ。
話は高校時代に遡る。
あの頃の僕は身長2メー
トル3センチ、体重106キロ。
オリンピ
ッ
ク代表が約束されたそば打ち競技者だ
っ
た。
まあ、今でもでかいことに変わりないし、森さんには立
っ
て会話をすると首が疲れると言われたけどね。
ともかく昔の僕が専念していたのは体力をつけることばかり。
小説などとは縁のない人間だ
っ
たのさ。
けれども、親友の勇気は僕とは正反対だ
っ
た。
彼はたくさんの本を読み、知識も豊富で人当たりもよか
っ
た。
勇気がどれほどすぐれた人格の持ち主であるかは、その死後にな
っ
て改めて痛感したよ。
そう、勇気は残念だけど故人なんだ。
難しい名前の血液の病気だ
っ
たらしい。
善人は早死にするというけど、あんまりだよね。
彼が生きていたら、世の中は少しでもいい方向に向か
っ
ていたかもしれない。
本当にそう思わるほど、非の打ち所がない人物だ
っ
たんだ。
けれどね、そんな勇気でもこの世への未練は断ち切れなか
っ
たみたいだね。
僕はもうじき勇気に乗
っ
取られてしまうんだ。
彼は小説を書いていたのだけど、これがまた見事な出来映えでね。
輝きを放つとは、ああいう作品を指すんだろうな。
ただ惜しいことに、彼の作品は未完だ
っ
たのさ。
完成させたい一心で小説を書きはじめた僕だ
っ
たけど、いつしか自分の世界を突き進むようにな
っ
ていた
……
。
お
っ
と。
そろそろ時間のようだ。
彼は守護霊をやめて、僕を一人前の作家にすると言
っ
ている。
けれども、本音は彼自身が小説を書きたくてたまらないだけなんだ。
結果、僕はもうじき自分の言葉を失うことになる。
話し合いをしたいけど、これはもう勝てないケンカをするようなものじ
ゃ
ないのかな。
そこで、お願いだ。
僕と君たちは友人だ。
君たちの中に引越ししてもいいだろう?
なに、全然たいしたことじ
ゃ
ない。
僕が自由を奪うのは、執筆している最中だけだから。
君たちは生みの苦しみから解放されて、僕は勇気に挑む作品を書き上げる。
ただそれだけのことなんだ。
さて、誰にしようかな
~
。
このメー
ルを最初に開いた人?
もう面倒だから、それでいいや。
最初に開くのダ
~
レ
~
~
。
うし
ゃ
し
ゃ
し
ゃ
~
。
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