てきすとぽい
X
(Twitter)
で
ログイン
X
で
シェア
小説、それは革命であーる 第1回犬吠埼一介杯
〔
1
〕
…
〔
3
〕
〔
4
〕
«
〔 作品5 〕
»
〔
6
〕
〔
7
〕
…
〔
8
〕
kakumeinooto
(
茶屋
)
投稿時刻 : 2015.08.28 20:08
字数 : 827
1
2
3
4
5
投票しない
感想:1
ログインして投票
kakumeinooto
茶屋
革命の音が聞こえる。
ひしひしと伝わ
っ
てくる。
それは地鳴りのように大地を揺らし、家を揺らし、私の体を揺さぶる。
この世をひ
っ
くり返せ!
支配者を打倒せよ!
そんな声が、振動とな
っ
て、音とな
っ
て、伝わ
っ
てくるのだ。
余波はそこらじ
ゅ
うに見える。
徴候はあちらこちらから感じる。
同僚のあいつが上司に文句を言
っ
たのも革命が近い証拠だ。
官憲に立てついた見知らぬあいつもその証拠だ。
革命の萌芽は世の中に満ち満ちている。
今にもそれは訪れる。
そう、革命のときは近いのだ。
もはや労働者も雇用者も関係なくなる。
歴史的権力も打破されるに違いない。
革命の余震はやがて大地を揺るがし、革命を発火させるだろう。
革命は爆発し、世界はまる
っ
きり変わるのだ。
革命の音が聞こえる。
まだ聞こえている。
いずれ革命は起きるだろう。
革命が起きて、この閉塞しき
っ
た世界を変えてくれるに違いない。
革命は音は未だ聞こえている。
それは絶えず鳴りやまず、その音はどんどん大きくな
っ
ている。
間違いない。
「革命は起きる」
「はいはい。おじいち
ゃ
ん。もうすぐ夕ご飯ができますからね
ぇ
」
革命の音が聞こえる。
「で、その音
っ
てどんなんなの?」
「いや、そり
ゃ
、なんつー
か、あれだよ、革命!
っ
て感じの音だよ」
「意味わかんねー
よ。全然伝わんねー
よ。せめて擬音で言
っ
てくれよ」
「え、いや、そう言われても、あれだろ? ドー
ン! とか ドゴー
ン! だろ」
「今の適当
っ
し
ょ
。め
っ
ち
ゃ
適当に言
っ
た
っ
し
ょ
?」
「うるせえよ。うちのじ
っ
ち
ゃ
んが言
っ
てるんだよ。革命の音が聞こえる
っ
て」
「ボケてんじ
ゃ
ね?」
「いや、まあ、それは、なんつー
か、アンタ
ッ
チ
ャ
ブル
っ
て感じで」
「まあ、そこはごめんだけどさ。何だよ革命の音
っ
て」
「うるせえ。聞こえんだよ。遺伝だよ遺伝。じ
っ
ち
ゃ
んから受け継いだんだよ」
「うるさくね?」
「ああ、まあ、正直ね
……
」
「めんどくせ
ぇ
な」
「でもさ、これめ
っ
ち
ゃ
テンシ
ョ
ン上がるぜ。うお
ぉ
ぉ
ぉ
っ
て感じで」
「病院いけ」
「う
っ
せ」
革命の音は未だ鳴りやまない。
←
前の作品へ
次の作品へ
→
1
2
3
4
5
投票しない
感想:1
ログインして投票