第4回 てきすとぽい杯
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戦いの始まり
投稿時刻 : 2013.04.13 23:29 最終更新 : 2013.04.13 23:44
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- 2013/04/13 23:43:53
- 2013/04/13 23:43:13
- 2013/04/13 23:29:58
戦いの始まり
たきてあまひか


 見た感じは太た猫のようにも思える。ただそれにしては、やけにしぽがふさふさした生き物が目の前にいる。耳が柔らかく足れているのも、猫らしくない。何より、こいつは言葉をした。
「ようやく見つけた。陽光を司る者、日輪の聖者」
 何を言ているのか全くわからない。
「日下くん。日下陽介くん。君にお願いがあて、ボクはやてきた」
「なぜ、俺の名前を知てるんだ」
「調べたからさ」
「調べたて、なんでだよ」
「君のことが必要だたから」
 じとこちらを見つめると、その生き物は小首をかしげた。
「封印された記憶は、そう簡単には戻らないか。まあいいや。なんとでもなる。
 とりあえず自己紹介をさせてほしい。ボクのなまえは三夜吾、よろしく頼むよ」
 そして、窓の外に目をやる。
「な、なんだよ……
「幸い、力の封印は一部解けているようだね。ほら、窓の向こうをご覧よ。感じるだろう?」
「何がだよ?わからないよ!?」
 外からぞわぞわと黒い気配を感じていた。だけどそれを感じていることを認めたくはなかた。安穏とした日常から、切り離されてしまうような予感が有た。
 生き物が何かを言おうと口を動かした。
 おそらく……その声が自分の耳に届くよりも素早く、俺は身を臥せた。
「ぐ
 同時に窓ガラスが割れ、部屋の奥の机がはじけた。飛び道具か? 机はバラバラにくだけた状態で、湯気を立てて濡れていた。
 俺はほとんど意識せずに部屋を飛び出した。家の奥に逃げ込むのではなく、玄関から外へ出ようと思たのだ。建物の中では自由に身動きができない。
「大丈夫かい」
 三夜吾が追てくる。
「なんなんだ!」
「戦いだよ!古き預言に記された、戦いの日が来たんだ」
 この国を形作た神々による、千年に一度の組み替えの戦いが始まるのだという。その戦いを制した神が、次の千年のこの国を司ることになる。
「その戦いにおいて、日輪の神の力の代行者となるのが、君だよ」
「心当たり、ねえなあ
 町を駆け抜け、とんでくる攻撃をかわしながら、三夜吾に対して叫ぶ。
「人違いじないのか!」
「それだけ人間離れした身のこなしをしながら、よく言うよ」
 かどをいくつも曲がり、なるべく人気のない方へと逃げる。このまますすめば森林公園だ。まずはあそこに……
「ストプ。回り込ませてもらたわよ」
 目の前に人影が現れた。その人物の足下にも、小さな生き物。
「決められた手順の通り、あなたに勝負を挑ませてもらうわ」
 俺は自分の足下にいる三夜吾に問いかけた。あれが、なのか?
「清流の神の代行者は少女だたみたいだね。君が最初に戦うあいてだ」
「最初?」
「そうだよ。君は4人に勝てもらう。預言の通りに」
「預言てなんだよ」
 自分がどんな表情になているか、自分でわからない。ただ三夜吾がうすら微笑んでいるのはわかた。
「清流、月光、誠心、新星、4つの神が遣わす4人の戦士。君には、勝ち抜いてもらわなければ」
[※ここに挿絵]
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