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第32回 てきすとぽい杯
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商談相手とやれよ! お前ら!
 投稿時刻 : 2016.04.16 23:37
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商談相手とやれよ! お前ら!
にぽっく台無しんぐ@まいっか


 平成生まれには、存在自体が知られていないであろう「リゲインのCM」。
 三共製薬の栄養ドリンク「リゲイン」のイメージソングを、牛若丸三郎太(時任三郎)が歌ており、「24時間戦えますか ビジネスマン」というモーレツなフレーズが、その昔、一世を風靡した事がある。
 とある商社に務める二人、「藤子ビジネスマン不二雄(以下、藤子B)」と、「藤子サラリーマン不二雄(以下、藤子S)」とが、本当に24時間戦えるのか否か、競争することになた。

 藤子Sは、真面目な性格と、自慢の体力とを活かすべく、とにかく寝ない事によて、この課題をクリアした。眠気覚ましに使たのは、メガシキであた。

 後日、藤子Sが事の顛末を話したところ、藤子Bはこう言て、勝ち気な表情を覗かせた。
「お前さ、そこはリゲインを使う所だろ? 空気読めよ。次は、俺の華麗な戦い方を見とけ!」
 そう言て、今度は藤子Bの出番となた。

 藤子Bは、フランスと日本とを結ぶ飛行機の直行便に乗たのである。

 サマータイム中は、日本とフランスとの時差は7時間。
 例えば、フランスがお昼の12時の時に、日本は19時なのだ。

 日本で今日の19時に戦いをスタートした場合、日本からフランスへと移動しながら戦い続ければ、体感時間で24+7=31時間経過後に、フランスでの翌日19時になる。
 ここで、リゲインのCMには、「体感時間としての24時間は認めない」等の縛りは存在しない。
 その結果、藤子Bは、途中で7時間の睡眠時間を悠然と確保しつつ、「日本時間19時」から「フランス時間の翌日19時」までの間に24時間戦う事ができたのであた。

 後日、藤子Bから事の顛末を聞いた藤子Sは、地団駄を踏んで悔しがた。
 藤子Bが藤子Sを慰める。
「いいか、お前。『24時間戦えますか ビジネスマン』て事は、「ビジネスマン」しか対象としてないわけよ。お前はサラリーマンなんだから、『そもそも戦わない』という、もと楽な方法もあたんだぞ?」
「なんだよそれ!」と、藤子S。
「本来そういうものなの。ただ真面目にこなせば良いてんじなくて、効率も考えて、改善していくものなわけ」と、藤子B。

 このやり取りを、藤子Bと藤子Sとが務める商社の部長が、部屋の中央、奥のデスクで聞いていた。
 部長は、二人にこう言い放た。
「いいから仕事しろよ! おまえらは一体、何と戦ているんだ?」
「時間です」
「時間です」
 藤子Bと藤子Sの声がハモる。

「『24時間と戦えますか』てか。相手はそれじねーだろ」
 部長は、そう言てため息をついた。
        <了>
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