【BNSK】2016年9月品評会 
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鯖道~mackerel’s load~
酔歌
投稿時刻 : 2016.09.26 00:00
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鯖道~mackerel’s load~
酔歌


――漁獲量過去最高一六十トン。日本古来から愛される彼らの素顔に迫る。

 茨城県某海岸。コンクリートに波打つ大海原の前に立た我々取材陣は、恐れおののいていた。その日、日本列島は台風に見舞われた。大雨が日本各地を襲い、浸水や土砂災害に苦しんでいた。そんな最中我々は波立つ大海原の前に立つ。それはなぜか。そう。彼らはもうすぐ我々の前に現れるからだ。

 大粒の雨がカメラにぶつかる中、我々は発見した。機械音を響き渡らせ、こちらに向かてくる。それは漁船だ。

 「おはようございます」

 そう返事が飛んできたので、我々も返事を返した。漁船は岸までたどり着き、体をコンクリートに預けた。乗組員が籠を持ち、陸に上がる。そのたびに我々の緊張は高まるのだ。

 「今日はよろしくお願いします。日本産。マサバです」

 我々はその貫禄につばを飲み込んだ。


――日本メジの魚類。鯖。
 我々の独占インタビの取材にOKしてくれた、たた一匹のマサバ。太平洋から北上してきた彼に乗ている油が、太陽光でより輝いていた。

 「私たちの先祖からお話は聞いていました。日本人に特に愛されていたと」

 始まりは縄文時代まで遡る。貝塚から数々の貝が出土する中、その骨はありました。鯖だ。飛鳥時代には、既に「鯖」と呼ばれていたようだ。約一万五千年前から我々の血肉には、鯖のコレステロールが含まれていた。

 「私たちにとての、味、ですか」

 彼は聞いてもいないことを話し始めた。

 「私たちを捕るのは人間ですし、私たちがおいしくなろうという気はありません」

 江戸時代には鯖寿司、塩焼きや煮つけなど様々な調理法が存在した。その時の気分しだいで、我々は様々な形態へと鯖を変えてきた。それはどれも美味である。しかし、それは人間がそう思ているだけだ。彼はそう言た。

 「でも、それはある意味誇りであて、私たちが生きていられる根底なんです」

――大量水揚げのその先は
 日本人は鯖が大好きという考え方は間違てはいない。しかし、現在はむしろ捕りすぎだという声が上がている。

 「私たちは魚です。だから加工して保存も難しいでしうし、そろそろ遠慮はしていただきたいかなと」

 鯖に限た話ではないがどうしても保存が難しい。だからこそ新鮮な状態で食べることが大切なのだ。このマサバはそう伝えたがている。本日はどうもありがとうございました。

 「ありがとうございました」
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