てきすとぽい
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第41回 てきすとぽい杯
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上京乗り鉄記
(
ひやとい
)
投稿時刻 : 2017.10.14 23:14
字数 : 900
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上京乗り鉄記
ひやとい
嫁がデトロイト・メタル・シテ
ィ
をまた見返している。相当気に入
っ
ているようで、暇があれば見ている。
「貴様の罪はー
、俺が罰するー
」
嫁が主人公のデスボイスを真似て口ずさみながら見ている。す
っ
かりあきれて、ひたすらネ
ッ
トに没頭することにした。
こないだ5ち
ゃ
んという名前に変わ
っ
た2ち
ゃ
んを見ていると、一部の撮り鉄の、非常識な行為を取り上げているスレ
ッ
ドがあ
っ
た。
見ているうち、上京した時のことを思い出す。
札幌から3度目の上京を果たしたバブル期、ち
ょ
っ
とした乗り鉄にな
っ
ていた時期があ
っ
た。
札幌には私鉄がない。あるのはJRと市営交通だけだ。物珍しさにつられ、ほいほいといろんな路線に乗
っ
た。1,2度目は仕事の事情でそんな暇はなか
っ
たので、今度の上京では東京を楽しもうという気分にもな
っ
ていた。
上京して住まいのない身には土方の仕事で寮に入り10日間の労働契約で金を稼ぐのがありがたか
っ
た。そうした事情もあ
っ
て、ち
ょ
っ
とした旅のつもりで、気に入らなくなれば出ていき、いろんなところに行
っ
た。バブルの恩恵を比較的受けなか
っ
た方だが、次々と働く場所を簡単に変えられたことには感謝している。
しばらくそんなことをしていると、路線ごとに風景の色が違
っ
ているのが見えた。
言葉にしにくいが、京王線と小田急線は同系統、東急は少し落ち着いた感じ、西武線は活気があり、一番なぜか落ち着く色あいだ
っ
たのが東武、それも東上線だ
っ
た。
そのせいかわからないが、何度目かわからない転職を繰り返すと、落ち着いた先は東上線だ
っ
た。自衛隊時代に知り合
っ
た知人に沿線住人がいて、そいつと仲良くな
っ
てタイミングよく一緒に住むことにな
っ
たからだ。
いろいろあ
っ
て時期は短か
っ
たが、そのまま地域に腰をおちつけることにな
っ
た。
それから長い間、東京から埼玉に引
っ
越しもしたが、仕事もしやすか
っ
たので、東上線には数年前までお世話になることにな
っ
た。
東上線のあの色が呼んでいたのか。
いまとな
っ
ては不思議だ。
「ねえ、ごはん食べよー
」
妻に言われ、回想から引き戻された。わか
っ
たと言い食事の用意をする。
それから年を取
っ
て東上線から離れる身にな
っ
たが、たまには行くこともある。
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