てきすとぽい
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第2回200文字小説コンテスト
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手品
(
高山 環
)
投稿時刻 : 2018.04.01 20:03
字数 : 200
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手品
高山 環
私は望まれた子でなか
っ
た。私の父親である男に母は一度も心を開かなか
っ
た。駄目な父親だ
っ
たが私には優しか
っ
た。「見ててごらん」何もない掌から鍵を取り出す手品を父が私に見せてくれた。父に母は愛想を尽かし家の鍵を取り上げてしま
っ
た。家に入れなくな
っ
た父は音信不通にな
っ
た。十年が過ぎ私の結婚式の朝、封筒が届いた。鍵がひとつ入
っ
ていた。宛名はない。父が開け方を知らず、失
っ
た鍵を私は見つけて開けたいと思
っ
た。
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