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第46回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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シン・ワカメ
 投稿時刻 : 2018.08.19 08:35 最終更新 : 2018.08.19 14:10
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シン・ワカメ
たかはし


『貴殿が今この研究メモを読んでいるということは、もうあの休眠体はすでに発芽し、ある程度の大きさにまで成長し、その上でこの藻類の特性に気付かれたものと推察します。或いは事態はもと危急的で、様々な治安組織が動いているかもしれません。何れにせよ、貴殿が植物生理学の専門家であることを期待して以下に続けます。

 まず始めに貴殿に伝えなければならないのは、私が気の遠くなるような試行錯誤の末、文字通り人生のすべてを捧げてあの特殊藻類を作り出した目的には、一遍の悪意も含まれていなかたということです。また、単なる好奇心の高揚や、世間をあと驚かせたいという気持ちでもありません。純粋に皇国の現状を憂い、大本営の作戦命令の下、この藻類の研究を行ていました。

 ご存知の通りこの理化学研究所には様々な研究者が集まています。核反応を使たいわゆる「マチ箱爆弾」を研究している部署や、人造石油の開発、高性能レーダーやロケトエンジンの技術などです。私に与えられた課題は「食糧自給に寄与しうる植物体の開発」でした。

 この藻類は高い成長能力と強固な生体構造とを併せ持ています。現在知られているあらゆる病害虫に耐性を持ち、塩水や強酸性、強アルカリ液、火炎中、極低温中、紫外線、放射線にも負けない、完全に強固な、要求に合致した植物体です。ただ唯一の問題点は、あまりにも堅牢なその構造ゆえ、現状では食用には向かないという一点のみです。胃酸程度では全く消化されないのです。逆にその細胞が一寸でも体内に入れば、肺や腸で爆発的に成長し、命の危険が伴うでしう。寧ろ生物兵器としての完成度のほうが高かたようです。

 少し長くなりましたので、貴殿は一度このあたりで、植物体の様子を確認したほうがよろしいでしう。この文章を読み始めた頃の8倍から16倍くらいの体積には育ていると思われます。残念ながら、私には時間が残されていません。あとは貴殿が適切に管理される機構と消化作用のある酵素を開発され、戦勝と日本の繁栄に寄与されることを望みます。

 以上、神國必勝を祈願して 極秘扱 昭和二十年八月』

 研究室のシレの中で封印を解かれたその藻類は、急遽用意した液体窒素の極低温の霧の中でも、ゆくりと藍色の身体を伸ばし、床にまで溢れ、不気味に増殖を続けていた。



 九月一日、駆除する方法のない藻類が日本全土を襲う!

「恐怖!ふえるわかめちん」全国ロードシ
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