短い文章ですが、書かれていない主人公の直前の物語まで想像できる（想像したくなる）、素敵な作品でした。

ひみつのアッコちゃんになろう！
♪シンデレラ～ひ～め～が　あらわ～れった～

老女を見ながら自分を見ている主人公の葛藤が上手く描写されていると思います。

パンドラの匣のように希望は明日を照らす光であり、同時に罪深いものかもしれないですねえ。人生の悲しみを感じる作品でした。

最後の一文めっちゃいいですね。
迷子の老女を自分の境遇と照らし合わせ、老女の言い分を客観視して否定するのだけど、ついその幻想に期待を寄せてしまうような一文。現実と虚構の橋渡しのような書き味でもありますし、想像が膨らみます。