第73回 てきすとぽい杯
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なにがなんだーなんだーくん
投稿時刻 : 2023.02.18 23:27 最終更新 : 2023.02.18 23:30
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- 2023/02/18 23:30:36
- 2023/02/18 23:27:21
なにがなんだーなんだーくん
ひやとい


 なんだくんはとにかく人に認められたがていた。
 実家にいてそれなりの仕事もし、それなりに安定した生活をしていたが、気がつくと人生の半分を過ぎて友達の一人も出来ないでいた。
 そして、いままで生きてきた証を世界に残したいと思うようになていた。
 そこでなんだくんはおなごもすなるとうわさのSNSというものに入てみた。
 インタートの広い世界では自分を認めてくれる人がいるかもしれない。
 学校や仕事先では目立たかたなんだくんはそんな希望をSNSに託した。
 まずは自己紹介と思い自撮りを上げ、プロフル欄に安全なものを書くと、毎日テレビや時事の話題をつぶやいたり、また小説が好きだたのでいろんなサイトに作品を書いては投稿を続けた。
 しかし数月を過ぎてもなんだくんを面白がてくれる人はいず、いつしか過激なことをやらなくてはいけないと思うようになてきた。
 そこでなんだくんは、昔ちとだけかじたことのある分野を頼りに、とある小説愛好者の集まる掲示板でその知識をひけらかしてみた。
 そして自作の小説の存在をほのめかし、注目を集めようとした。
「ここのやつはバカだな、●●なんて会社はないよ」
「きみたちそうじないだろ、それじSDGsに則てないよ」
「エセンシルワーカーなんてビジネスパーソンには無縁の存在だからね」
 大手のSNSでは過激なことは炎上が怖くて出来なかたが、過疎サイトの小説好きしか集まらないようなところなら多少騒がれても大丈夫だろう。そんな考えで過激なレスを書き続けた。
 続けていくうち、なんだくんは匿名性をいいことにだんだんと調子に乗り、やがて上から目線でよくわからない提案までするようになた。
「きみ、なんで●●が得意なのに仕事にしないの?」
「一つだけ、どうしてきみたちはそんなに頭が悪いの?」
「文芸批評的に詩の話をするのはどうかなあ」
 そこでなにか反論されると、
「きみたちに騒がれても痛くも痒くもないよ」
「社会正義のためにアドバイスしてるんだ、無料でね」
「ボランテアでやてるんだから少しは感謝してよ」
などとへらず口を叩いた。
 そんなある日、いつも掲示板にいる、もこ、ひやとわれ、だんケツの3コテがついに業を煮やし、こうレスした。
「幼稚なレス。見聞の狭いやつが言うことではあるな」
「文芸批評て、もともと文芸は詩から始まるんだよ」
「なんで上から目線でえらそうなのか、おれにはわからんなー
 なんだくんはカとなて腹を立てると、掲示板を可能な限り荒らした。
 ざまあみろ! 俺様をなめんじねえ!
 なんだくんは荒らし疲れると、その日はぐすりと寝た。
 翌朝、なんだくんは起き上がて早速掲示板を見てみた。
 すると今までに自己顕示欲でやてきたSNSが探し出され、家族構成や自撮りの写真、あろうことか自宅の住所や電話番号までがそこに晒されていた。
「ううううううう、訴えてやる!」
 息巻き、長文で様々なことをまくしたてるが、一向に3コテは乗てこない。
 他の住人はひたすら冷たい態度で彼をスルーした。
 それに元はと言えば全部自分が晒した情報だた。ゆえになんだくんは段々と強く言えなくなていた。
 そしてすぐに、なんだくんの近所中に掲示板の荒らしの文言が貼られるようになた。
 なんだくんの家は通りから奥またところにありカメラもついてなかたので、誰がやたのかは
わからずじまいだた。
 なんだくんは報復を恐れ、ひとまずすべてのSNSから撤退した。
「くそー、今に見ていろ!」
 こぼすと、しばらくおとなしくしていないといけない事態になた自分を棚に上げ、社会に腹を立てた。
「おれは社会正義を貫いたのに! なぜだ! なぜなんだ!」

 結局それが自分勝手な社会正義だとわからなかたなんだくんは、それでも今日もしかり生きて、介護が必要になた親の面倒を見ている。 

※ この物語はフクシンであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
てかいいのが思いつきませんでした……
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