第13回 てきすとぽい杯
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投稿時刻 : 2014.01.18 23:26 最終更新 : 2014.01.18 23:45
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目次
1. 「この中に犯人がいる!」
2. 「この中に犯人がいる!」
3. 「この中に犯人がいる!」
4. 「この中に犯人がいる!」
5. 「この中に犯人がいる!」
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更新履歴
- 2014/01/18 23:45:37
- 2014/01/18 23:38:19
- 2014/01/18 23:26:27
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「この中に犯人がいる!」
 探偵のその言葉に、でぷりとお腹がでていて頭が荒野のように禿げ上がている、典型的な中年オヤジである大福屋の店主が声を上げた。
「は、犯人て?」
 ――バカじないの?
 内心、店主を鼻で笑てしまう。そんなの、考えるまでもないじない。
 探偵も私と同じように考えたようだ。ボサボサで整えるという概念すらなさそうな、ふとい眉毛をきと寄せ、大福屋の店主に冷たい視線を向ける。
「もちろん被害者を殴た犯人です」
 そう、私を――た犯人?
「この中の誰かが私を殴て言うの!?」
 大福屋の店主を笑えない。私も反射的に声を上げてしまた。
 この中の誰かが私を殴て?
 ――あは、笑える。
 人気がなくて気味が悪いシター商店街。本当は極力通りたくなんかないんだけど、その通りは私の住むマンシンへの近道だた。
 夜から合コンがあて、友だちと昼からお茶がてら作戦会議やろうなんて約束してて。駅へ向かたのはいいけど携帯電話を忘れたことに気づいてさ、走て来た道を引き返して――
 大福屋の前で、転んだんだ。
 あんなに派手に転んだのは生まれてこの方二十五年、ちと初めてだたよ。『すてーん』て文字が見えるような転び方しちた。頭打て、目の前に星が散て、意識が遠くなた瞬間、あ、これ死んだかもて思たね。
 ――で、目を覚ましたの、病院で。自分生きてるて思たその瞬間、ベドのそばに立ている彼を見て、今度こそ心臓が止まるかと思たね。
 超絶好みのイケメンが枕元にいたわけよ。そう、そこにいる刑事さん! ジニーズみたいな甘い顔で、でも身長は低くなくて、引き締また身体がもうたまらなくて今すぐハグしてください! て感じ。三十一歳、独身だてことはリサーチ済み。
 す転んだ自分にホントに感謝したよ。合コン行けなくてよかた! て神にも感謝したね。
 でさ、目覚めてすぐにテンシンスーパーハイになたわけじん? ついつい、言たわけよ。
 ――誰かに殴られたんです。
 顔も良くて頭もいい刑事さんが私のために捜査してくれて、その間に私たちは恋に落ちて、事件は結局私の勘違いでした、でも恋に落ちたのは本当の事件です! みたいな展開を期待してたのに。
 何やてくれてるんだ、この空気が読めない探偵は!
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