200文字小説コンテスト
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投稿時刻 : 2014.03.16 22:58
字数 : 200
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雪見酒
ra-san(ラーさん)


 大雪だた。このあたりで積もるほどの雪は珍しい。私は雪見酒を思い立ち、妻に燗を用意させた。

「雪は好きません」

 酌を取りながら妻が言う。何故と問うと妻は降る雪を見た。

「何もかも白く隠してしまうからです」

 それも美しいではないかと言いかけて、私は妻の白肌に気付いた。

「雪の下に眠ているもの。それが溶け出たときの気持ち悪さが好きません」

 妻の美しい白肌の下には何が眠ているのか。
 その想像を私は酒とともに干す。
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