200文字小説コンテスト
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そして少女は今日も学校をふける「デパートの屋上でなくした十円」
投稿時刻 : 2014.03.20 21:14
字数 : 200
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そして少女は今日も学校をふける「デパートの屋上でなくした十円」
ra-san(ラーさん)


 学校をふけたあたしは、久しぶりにデパートの屋上へ行てみた。
 子供の頃デパートの屋上は遊園地で、いつもたくさんの子供で賑わていた。でも今は、キケンの貼り紙をされた遊具が点々と転がるだけの寂しい空間になていた。
 あたしは昔よく遊んだウマの乗り物に近づき、十円を入れてみた。

 動かない。

 まあ、そうだと思いながら返却バーを回す。

「食われた」

 あたしは戻らない十円に乗り物を叩くと、ため息をついて屋上を後にした。
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