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ノスタルジックの船よ、沈め ◆S6qZnfmn3/gR氏
投稿時刻 : 2014.05.30 23:54 最終更新 : 2014.05.31 00:09
字数 : 6584
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コメント
2014.06.07 17:02

ぜんぜんまったくわからなかったです! こういう意味不明さみたいなのはじぶんでもやりたいと思ったりやってみることもあるのですが、それが最初から最後まで同じような感じで続いているとあまりおもしろくないのかもしれないと思いました。読み切れていないだけとも思えますが。最初の雰囲気は好きでした。
2014.06.08 00:16

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 これ、もしかして「翻訳者」って語義通りの「翻訳者」ではないのかもなぁ、と思ったりしました。二重鉤括弧で囲っていないので、一読者の勝手な解釈ではありますが、聖書を読み解いて人々に聞かせている牧師のような印象を受けたんです。作者さんも仰っているとおり、アメリカ文学的な宗教観の取り入れ方を感じさせる作品だったので、そう思ったのだと思います。
 それにしても「翻訳」の仕方がうまいなぁ。よくこうも雰囲気のある言葉を持ってくるもんだなぁと、感心していました。「一緒に『サイコアナルシス』しない?」とか、一度言われてみたいかも。「ミスター・哀れな仔羊」はとても愛されている感じがして好きでした。たぶん「見うしなった一匹の羊」とごっちゃにして読んでます。『アダムトラバス』も、「アダムにこんにちは?」「アダムが横ぎった?」などいろいろこねくり回してみる楽しさがあって、読者を楽しませる絶妙な言葉選びだなぁと。読者に考えさせる作品が大好きなので、読んでいてとても楽しかったです。
 指摘としては、細かい所ですが「ただの屍のようだ、という某RPGのメッセージ」というのが惜しかったです。なんだか、作者さんが我慢できなかったような惜しさを感じました。これって結局作者さんのネタではなくて、既製品のネタを引用しているだけなので、「翻訳者」の言葉にはそぐいませんよね。実験小説を書いている方なら共感できるかもしれないと思うんですけど、こういう作品ってついついこういうコンビニに売ってそうなネタに走ってしまうのですよね。そのほうが理解しやすいと思ってしまうし、なにより既製品が既製品たりえている安心感がありますから、つい手を出しちゃう。レディメイドを意識する作品でもない限り、こういうのちょっとなぁ、と思ってしまうのでした。
 それはともかく、光のない空間にいる二人と、光のある空間にいる二人(ワン合わせて三人)の対比はとても示唆的で面白かったです。「世界が明るくなっても、幸せにはなれなかったし、問題は何も解決などしなかった」というのは、ひとつの宗教批判を読んでいるようでした。「光」といっても「人工的な明かり」ですからね。聖典があるから戦争が起こるんだ、といっているような。ワンがワンという名前であることや、ワンが好きなものと嫌いなものを分別しているシーンからも、そういう印象が感じられます。
 ラストのシーンも実に綺麗に書かれていて、感動的です。最初から最後まで、とても面白く読める作品でした。
 なんか好き勝手に感想書いてしまいましたけど、ロラン・バルトさんに免じて大目に見てくださると幸いです。
 あとどうでもいいけど、「ノスタルジックの使者」が初読のときからどうしても「幼馴染」に思えてならなくて、萌えたりしました。。。
 執筆おつかれさまでした。
2014.06.07 17:02

ぜんぜんまったくわからなかったです! こういう意味不明さみたいなのはじぶんでもやりたいと思ったりやってみることもあるのですが、それが最初から最後まで同じような感じで続いているとあまりおもしろくないのかもしれないと思いました。読み切れていないだけとも思えますが。最初の雰囲気は好きでした。
2014.06.08 00:36

犬子蓮木さん への返信
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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まったくわからないと言う言葉、確かにその通りだと思います。
この小説はちょっとずるい小説であり、読者の想像に完全に任せてしまっている小説ですので、まったくわからなかったと言われるのも、この小説を表すうえでとても的確なのだと思います。

>>最初の雰囲気は好きでした。
ありがとうございます。
この作品を書く上で、最初の場面を書いてから二日ほど放置し、その後で続きの場面を書いては消し、また書き直し、書き上げた物をまた削ったり修正したりして、とごちゃごちゃになっている作品です。恐らく最初の部分と、後半部分では結構表現の仕方や書き方などが変わってしまっている気がします。
最初の場面を好きな方や、最後の場面が好きな方と意見が分かれ、読んでいる方にもなんとなく気づかれてるのかなあと言う感じがしました。私事ですみません。

このような実験作に感想を下さりありがとうございました!
2014.06.08 00:16

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 これ、もしかして「翻訳者」って語義通りの「翻訳者」ではないのかもなぁ、と思ったりしました。二重鉤括弧で囲っていないので、一読者の勝手な解釈ではありますが、聖書を読み解いて人々に聞かせている牧師のような印象を受けたんです。作者さんも仰っているとおり、アメリカ文学的な宗教観の取り入れ方を感じさせる作品だったので、そう思ったのだと思います。
 それにしても「翻訳」の仕方がうまいなぁ。よくこうも雰囲気のある言葉を持ってくるもんだなぁと、感心していました。「一緒に『サイコアナルシス』しない?」とか、一度言われてみたいかも。「ミスター・哀れな仔羊」はとても愛されている感じがして好きでした。たぶん「見うしなった一匹の羊」とごっちゃにして読んでます。『アダムトラバス』も、「アダムにこんにちは?」「アダムが横ぎった?」などいろいろこねくり回してみる楽しさがあって、読者を楽しませる絶妙な言葉選びだなぁと。読者に考えさせる作品が大好きなので、読んでいてとても楽しかったです。
 指摘としては、細かい所ですが「ただの屍のようだ、という某RPGのメッセージ」というのが惜しかったです。なんだか、作者さんが我慢できなかったような惜しさを感じました。これって結局作者さんのネタではなくて、既製品のネタを引用しているだけなので、「翻訳者」の言葉にはそぐいませんよね。実験小説を書いている方なら共感できるかもしれないと思うんですけど、こういう作品ってついついこういうコンビニに売ってそうなネタに走ってしまうのですよね。そのほうが理解しやすいと思ってしまうし、なにより既製品が既製品たりえている安心感がありますから、つい手を出しちゃう。レディメイドを意識する作品でもない限り、こういうのちょっとなぁ、と思ってしまうのでした。
 それはともかく、光のない空間にいる二人と、光のある空間にいる二人(ワン合わせて三人)の対比はとても示唆的で面白かったです。「世界が明るくなっても、幸せにはなれなかったし、問題は何も解決などしなかった」というのは、ひとつの宗教批判を読んでいるようでした。「光」といっても「人工的な明かり」ですからね。聖典があるから戦争が起こるんだ、といっているような。ワンがワンという名前であることや、ワンが好きなものと嫌いなものを分別しているシーンからも、そういう印象が感じられます。
 ラストのシーンも実に綺麗に書かれていて、感動的です。最初から最後まで、とても面白く読める作品でした。
 なんか好き勝手に感想書いてしまいましたけど、ロラン・バルトさんに免じて大目に見てくださると幸いです。
 あとどうでもいいけど、「ノスタルジックの使者」が初読のときからどうしても「幼馴染」に思えてならなくて、萌えたりしました。。。
 執筆おつかれさまでした。
2014.06.08 01:09

小伏史央さん への返信
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 まさに仰る通り、個人的に翻訳者という語句は語義通りの意味で書いたものではありませんでした。と言っても、もちろん読む人にとって受け取り方は様々であり、この作品自体が色々な受け取り方が出来るように書いているので、どのように受け取ってもらっても構わないと言うスタンスで書いています。語義通りの翻訳者と受け取っても、メタファーとしての翻訳者として受け取っても、どちらでも想像の余地があるように、出来るだけ頑張って書いたつもりです。

指摘された点については、自分でも何故気付かなかったのだろうと言う程に的確な指摘でした!
確かにそこだけ、変な言い方をすれば俗っぽい表現になってしまっている気がします。すごく大きな反省点です……。確かにそこだけが比喩として浮いてしまっている感じがしますね……。

宗教批判は強く意識したわけではありませんでしたが、そのような見方もあったのだと、気づかされました。
元々この作品の切っ掛けは、ジュディ・バドニッツ氏とマヌエル・ゴンザレス氏が描く、不思議な世界観に込められた皮肉・愛情などを参考にして書いたのですが、私の手に負えないようなものの気もしました。書いていて一番楽しい小説なんですけどね、こういうの。

何と言うか、色々と想像してくださる読み手によって、救われている作品であるような気もします。
作者の自覚していないところまで拾ってくれている感じが。

批評、感想ありがとうございました。とっても嬉しいです。
ちなみにロラン・バルトさんに免じられたら、何も言えないです(笑)
そもそも、この感想もありがたすぎて文句のつけようがないんですけどね!
2014.06.08 02:01

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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多義的・示唆的…とても面白く拝読させていただきました。ただ、特に最初のうちはとても実験的で興味深く感じたのですが、「翻訳」表現がさほど伏線として機能しないままだと少しダレる感じでした。より短編向きといいますか。なお『    』の箇所は、唯一無二のものは翻訳不可能という解釈でよいのでしょうか。だとすると『祈り』のような言葉にならない表現、心からの言葉が向けられないワンの孤独が浮き彫りになる感じでいいのですが、逆に悟ったような割に最後まで語り続ける(言葉を持っている)主人公の位置づけは不明瞭になる気もしました。「自分にはない」祈りの感覚だから翻訳できなかった(つまり結局は主人公こそ孤独で、空疎な言葉に埋もれるだけな)のか、ワンと違って妻にだけは祈れた一瞬があった(孤独だったのはワンだけで、今や郷愁にせよ当時は若くて祈れた)のか…?
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