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【BNSK】月末品評会 in てきすとぽい season 4
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一夜の悩みと夢
 投稿時刻 : 2014.06.26 21:28
 字数 : 2913
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一夜の悩みと夢
たこ(酢漬け)


#A pm7:00
 まだ君の幻影を追いかけている。
 たとえば駅のホームの反対側。たとえば道ですれ違た時。ふと君かなと思い、振り返る。でもそれは君じない。僕の目には君のように見えるけど、それは一瞬の事。一目見てしまえば君は君でなくなる。だからそれは君の幻影なんだと思う。たぶん。
 そんな風に時君の事を考えながら僕は毎日を過ごす。時折君のことを思い出しては仕事をして、ご飯を食べて、眠りにつく。
 台所には飲み干したビールの缶が何本か転がている。君が見たらきと僕の事を叱るだろう。でも君はいないし、僕の事を叱ることもない。
 僕は前に進めないでいる。あの頃の君を忘れられないまま。
#A

#B pm7:00
 彼の事を考えなくなてどれくらいの時間が経つだろうか。彼と別れてもう二年になる。もう街中で彼の面影を見ることもなくなたし、彼の事を思い出して落ち込むこともなくなた。
 私は毎日仕事に行て、新しい人に出会て、新しい人生を送ている。最初はすごく落ち込んだ。ひどい別れ方をしたから。そのせいで仕事も手につかなくなて当時はずいぶん怒られた。でも女子高生じないんだから仕事を休む訳にもいかないし。
 鬱がひどい時には医者に行て、そのおかげでいくらか仕事を休むこともできたけど。あの時はひどく孤独で、分かりあえる人もいなく、とても辛かた。
 それからしばらくして、新しい人と付き合うことになた。すごくいい人で、その人と一緒にいると前の彼の事を少しずつ忘れることができた。今は料理をしながらその人が帰てくるのを待ている。
#B

#A pm8:30
 きと記憶からは逃れることができないんだろうな。僕はそんなことを考える。バーで一人で飲みながら。
 前に進めないのはどうしてなんだろう。それとも僕は前に進みたくないだけなのか。記憶の中にまどろんでいる。笑ている彼女の影だけが浮かんできて、そしてまた消えていく。手を差し伸べてつかんでみても、その手は空しく空中を彷徨うだけだた。
 飲み終えて店から出ると、雨が降てきた。傘を持ていない。このまま濡れて帰るしかないようだ。
 雨の滴で街のネオンサインがぼやけている。水たまりに映る夜の街はどこか歪んでいるようだた。
 乱反射する夜の街を一人駆け抜けた。
#A

#B pm8:45
 ご飯を食べ終えてから雨が降り出した。お風呂上がりの彼は帰宅途中に降られなくてラキーたよと言ている。
 台所でお茶碗を洗ていると彼が手伝いに来てくれた。近づいてきた彼とキスをして、それから二人で洗い物をした。
 彼のおかげで少し早く終わたので、二人でテレビを見た。彼はビールを飲んでいる。それから二人で同じベドに入た。
#B

#A pm11:15
 降り出した雨は予想以上に強くて、家に着くまでに体はびし濡れになていた。
 湿た服を洗濯機の中に放り込み、急いでシワーを浴びた。雨に冷やされた体をシワーが温めていく。
 頭からお湯をかぶりながら、しばらく僕は落ち込んだ。
#A

☆☆☆
 大雨が降ている。僕も彼女もびし濡れで、周りを行き交う人たちは何事かと二人の方を注目しては、また歩き去ていく。
 長い間話し込んでいるうちに雨が降てきてしまたのだ。何故、喧嘩をしたのかが分からない。ほんの些細なことが原因だたのかもしれない。それが今では二人とも言葉を無くし、うつむくままである。
 好きという感情と嫌いという感情が同時に駆け巡り、何を言えばいいか分からなくなる。どのくらいの間雨に降られていたのか分からないが、親切な人が傘を一つ譲てくれた。僕は彼女にそれを渡そうとしたが、受け取てくれなかた。
 僕は傘を指して、彼女も傘の下になるようにした。幸せの象徴のような相々傘だたが、今日だけはとても重苦しいものだた。
 僕が「もう今日は帰ろう」と言うと、彼女は一度だけうなずいて、駅の方へと歩いて行てしまた。
 彼女は一度も振り返らなかた。
☆☆☆

#A am6:00
 目が覚めると明け方だた。窓の外がきれいな青色に染まている。僕は夢を見ていたような気分になた。というか夢を見ていたのかもしれない。あまりいい夢ではなかたけれど。僕は起き上がり、机の引き出しから昔の写真を取り出した。そこには昔の僕と彼女が映ていた。
#A

#B am3:30
 その日は夜中に目が覚めた。夢を見ていたような気がした。昔付き合ていた彼が出てきたような気がして周囲を見渡してみる。だけど部屋には私と彼の二人以外は誰もいない。  
彼は隣で寝息を立てている。私は起き上がり、バルコニーへと続く窓から外の様子を観察した。
 まだ雨が降ている。電柱につけられた街灯の明かりが部屋の中にまで入てくる。ここから見える光はどれもこれも人工的なものだたけど、その青白い光をわたしは嫌いになれなかた。
#B

#A am7:00
 その日の朝、僕は会社に電話をして、仕事を休むという連絡をした。理由を聞かれたので鬱がひどいと言た。相手は少し返答に困たものの何とか了承をしてくれた。
 仕事を休んだけれども一日中寝ているようなことはできそうになかた。僕は写真と車の鍵を持て家を出た。
 おそらく車で一時間以上は走らなければならないだろう。とにかく人のいないところに行きたかた。
#A

#B am6:30
 その日の朝、わたしは彼のためにお弁当を作ていた。会社で愛妻弁当と言たら喜ばれたのでわたしもお弁当を作る腕が鳴る。
 もうすぐ彼の起きる時間だ。そろそろ起こしに行かなくち。昨日降ていた雨は夜のうちに止んで、今はまぶしいほどの太陽が東の空に昇ている。
 ドライブするのにいい天気だたけど生憎今日は平日だ。今度彼にお願いしてみようかな。きと彼なら快く了承してくれるはずだ。
 あ、彼の目覚まし時計が鳴た。わたしも彼を起こしに行かなければ。
#B



#A am11:00
 気づけば僕はくねくねした林道を車で走ていた。どこかに手頃な場所は無いかと探していると、誰もいない休憩所が見つかた。おそらく休憩をするドライバーのために設けられたのであろう。幸運にも誰も人はいなかた。
 喫煙所に行き、煙草に火をつけた。ふと昔の事を考えたが、今さら何も感じることは無かた。周りには自然が広がり、鳥の鳴き声が聞こえる。
 ポケトから写真を取り出して四つにちぎてからライターで火をつけた。予想以上に煙が出たが、誰にも見られてはいないだろう。
 火のついた写真はチリチリに焦げて行き、最後には灰になた。
#A

#B am11:00
 彼に朝ごはんを作てあげてから、行てらいのキスをした。彼は笑顔で仕事へと向かて行た。
 朝の仕事がひと段落してから、一休みにコーヒーを飲んだ。テレビではワイドシが放映されていた。芸能人のゴシプネタだたけど、何で人間はこういうのを楽しんでしまうんだろう。
 気分転換にバルコニーに出ると、気持ちの良い風が吹いていた。とてもいいお天気。眼下を見ると電車が住宅街の中を走り抜けて行た。あ、お布団干さなくち
 一時期はどうなることかと思たけど、彼と付き合うことができてわたしはなんて幸せなんだろうと思た。
#B
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