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第20回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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宇宙人(コモン型)
 投稿時刻 : 2014.08.17 11:36
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宇宙人(コモン型)
永坂暖日


 ある者はこう語る。
「何の変哲もない夜でした。友人達と集まてテレビゲームをしていたら、突然、まばゆい光が窓を満たしました。それは一瞬でしたが、何事かとみなで顔を見合わせるには十分な出来事でした。窓の外をのぞいても暗くてよく分からないので、わたし達は外へ出ました。庭には何もありません。飼い犬のタロとジロがすやすやと眠ているだけでした。ところが家の裏手に回ると、そこにおかしな人がいたのです。人、と言うか、一般的なイメージの宇宙人そのものの姿をしたものがいたのです。グレイタイプです。それは三体いて『ワレワレハ宇宙人ダ』と言いました。宇宙人の一人が手を挙げた次の瞬間――わたし達はリビングのソフで目を覚ました。庭ではタロとジロが変わらずすやすやと眠り、裏手に行ても何もありません。ただ、時計を見て、わたし達がまばゆい光を見てから二時間程たているのを知りました。あれが一体何だたのか、今もよく分かりません。友人達も同じ宇宙人を見たと言いますが、その証拠は何もないのです。何もないので、夢だたのかもしれない、と最近では思います」

 またある者はこう語た。
「気が付いたら、宇宙船に連れ込まれてたんだ。銀色のストレみたいなものに寝かされてベルトで固定されて、宇宙人達はじと俺の顔をのぞき込みやがる。白目のない真黒なでかい目でさ、気味悪いたらない。しかも『ワレワレハ宇宙人ダ』て分かりきたこといいやがる。見り分かるよて言たら、同じこと繰り返すんだ。それ以外の地球の言葉を知らなかたんだろ、きと。そのあと、腕に注射されて、後頭部にも何かを射された。何か埋め込んだに違いない。気が付いたら俺は玄関で眠てたけど、あれは夢なんかじねえ! 絶対に本当にあたんだ。俺の後頭部には何かが埋め込まれてるから、レントゲンでもMRIでもいいから調べてくれよ、先生!」

 はたまたある者はかく語りき。
「目が覚めたら、宇宙への愛と美にも目覚めたの。綺麗じなき生きてる意味なんかないて、宇宙人が気付かせてくれたのよ。彼らと一緒に見たM31……アンドロメダ銀河、涙が出る程綺麗だたわ……ベリグて感じ。え? 前とキラが違いすぎる? そんなのまぼろし!」

 宇宙人は、我々の知らないところでひそりと現れ、ひそりと、何をしたいのかよく分からないことをしている。

 ……のかもしれない。
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