第22回 てきすとぽい杯
 1  6  7 «〔 作品8 〕» 9  12 
かべどん
投稿時刻 : 2014.10.18 23:41
字数 : 1110
5
投票しない
かべどん
住谷 ねこ


 彼女ができた。
ついに。彼女ができた。

いや、別に今まで一度も付き合たことがないわけじない。
自分でいうのもなんだけど
僕はモテる。

背も高いし、運動神経もそこそこだ。
顔だてかこいいとはいわないが
どちらかといえばいい方だと思う。
頭も普通だ。

だから、同学年ももちろん、下級生からも
告白されてつきあたことがある。

ただ、長続きしないんだ。
たいてい長くても2週間で残念なことになる。
もともと中学生の付き合うなんてたいしたことをするわけじないけど
いつも同じ理由で振られる。

「狩谷くんて、もとー面白い人かと思

最初は、気が合わないだけだと思たけど
毎回そう言われるので
同じ学年の、いつもとかえひかえ彼女のいるやつに
さりげなく聞いてみたんだ。

「狩谷さあ、キスしたことある?」

「え? 」

「しなき

「え? え? え?」

「あいつら、待てるから」

「本当にしなくてもいいけど、しようとしないと失礼でしう」

えええ?

つまんないて 面白くないて そういうこと?
話とかじなくて?
えええ?

というわけで今回、僕はそいつのアドバイスに従
最初の日に一緒に帰ろうと誘い(これはいつもと同じ)
次の日には、ふざけたふりしながら肩を抱き
3日目には、ちと冷たくして
なんだろうどうしたんだろう?と思わせておいて
壁ドンだ!!

ただキスしようとするだけじダメなんだ。
壁ドンだ。

と怖い顔して壁ドンして
それから相手の反応みながらそれに合うような
こいいセリフを吐くんだ。
顔を近づけながら。

壁ドンだ。
壁ドンが大事だ。

あんまり強くてもだめだ。
痛くない程度に、でも男は力があるんだぞてわかるように
壁ドン
壁ドン

そうして立てた壁ドンチ作戦は予定通りに進行し
ついに明日あたり壁ドン本番な雰囲気になてきた。

もう頭は壁ドンでいぱいだ。

こうきたらこう。
そしたら こうなてこうなてこう。
ハアハア。 ハアハア。

ノートに壁ドン壁ドン壁ドンと殴り書く。

よし、明日だ。
がんばれ自分。

壁ドン!!!!

-------------------

振られた。

予定通りに進めたのにまた振られた。
まだ壁ドンまで行てないのに。

「狩谷君、全然喋んないんだもん」 だて。

確かに、壁ドンで頭いぱいで
話に身が入らなかたのは確かだけど
そんなだて まだつきあて3日なのに。

くり家に戻てうわの空で夕飯を食べていて
とどめをさされた。

弟が俺に聞く。

「にーん、かべどんてなに?」

??

「な ななな なにいてんだよ?」

「ノートにいぱい書いてあたよ かべどんて」

「いや だから えーと おまえにはまだ」

「なんの妖怪?」

……

「ねー なんの妖怪?」

……

なんか ものすごく疲れた。
← 前の作品へ
次の作品へ →
5 投票しない