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第24回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉
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めくるめくハードボイルドワンダーランドとバルト派の読み方のようなもの
 投稿時刻 : 2014.12.14 00:03 最終更新 : 2014.12.14 00:08
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- 2014.12.14 00:08:09
- 2014.12.14 00:03:31
めくるめくハードボイルドワンダーランドとバルト派の読み方のようなもの
たこ(酢漬け)


 私はカフラテを注文して、相手はブラクコーヒーた。子供のころから苦い物が苦手で、今でもブラクコーヒーは苦手だ。
 相手の男は短めに整えられた髪の毛に細身のスーツ。スーツにはストライプが入ていた。腕には銀色の時計をしているし、手を見ると、左手の薬指に指輪がはめられていた。
 妻帯者なんだな。真先に私はそんなことを考えてしまた。だが別に目の前にいる男と付き合おうなんてこれちも思ていないし、不倫なんて面倒事に巻き込まれるのはまぴらごめんだ。
 あくまで仕事上の関係。それだけのことだ。私は自分にそう言い聞かせた。
 今日この喫茶店に来たのはこの男とビジネスをしなきいけないからだ。今ビジネス、て言たけど、実のところそんなに格好のいいものではなくて、ただ書類を受け取て、適当に世間話をするだけのことだ。
 この仕事についてから結構な時間がたつけれど、いつもいつもこんな感じで、ただ書類を右から左に受け流しているようなものだ。今日受け取た書類も会社に帰てから経理部の人間にまると投げてしまうのだろう。いや、私も目を通すだろうけれど。たぶん。
 このままこの仕事をしながら老けていくんだろうなと思ては鬱になてはいたけれど、今ではもう慣れてしまた。
 今日も作り物の笑顔で、相手の前に座ている。それだけのこと。
「それじあこの書類よろしくね」
……はい。かしこまりました」
……ところでこの前の恵比寿商事の話聞いた?」
……いえ、存じ上げてません……
「実はね、遠からずに目黒不動産を買収するらしくて……
「買収、ですか」
「そう。ついにあそこも不動産取引に手を出そうとしているみたい」
「でも内部では結構もめててさ、吸収合併してしまうか、子会社化するかとか、取締役を誰にするとかね」
……そう、なんですか」
「みたいだよー。あまりおおぴらにはできないけどね」
 そう言て、その場は愛想笑いで話を済ませた。この仕事をしているとそういうインサイダーみたいな情報を聞くんだけど私にはそういう情報は役立ていない。精々どこかの世間話のように聞こえるだけである。私は株取引もやていないし、仕事が終われば家に帰て、酒を飲んでテレビを見ているだけのような人間である。
 そんな人間が他社の合併事情などを聞いても、あはいそうですかと受け流すだけである。
 そんなことで。
 そんなことでと思う。今になれば。なぜそんなことで……
 それから私は会社に戻り、受け取た契約書の内容を確認していた。どうせ経理部の連中が決済承認のためとか言てチクするんだからいいんじないかと言ても、ちんと目を通せと言われる。そういうものらしい。
 遠海商事(以下甲とする)、山田村エーンシー(以下乙とする)について次の通り契約する。
 ……第一条、甲は……乙と……
 まだ契約書を読み始めたばかりのところである。突然電話が鳴た。私の他に誰もいない室内に、電話のコール音が鳴り響いている。
こんな時間に誰だろう。私は不審に思た。すでに他の社員は帰てしまていて、私だけが残業をしている。あまり出たくはなかたが、取り敢えず受話器を取ることにした。
「もしもし」
 受話器の向こうからくぐもた男の声が聞こえた。
「あなたさきの喫茶店にいた人?」
「すいません。どちら様でしうか」
 突然の質問に私は戸惑たが、テンプレート的な対応を心掛けた。
「こちは分かてるんだよ」
「申し訳ありません。おていることの趣旨が把握できないんですが」
「それは秘密だよ」
「どういうことです?」
「逃がさないからね」
 そう言てガチリと通話を切る音がした。耳元でツーツーと音がする。
 私は受話器を置いて深呼吸をした。突然のクレーム電話に心拍数が上がてしまたからだ。
 受話器を置いたら再び室内には静寂が帰てきた。外では緊急車両のサイレンが鳴ている。
 それから私は書類を机の上に置いて、会社を後にした。外に出るとパトカーが停車していて、その周りには人だかりができていた。
 何か事件が起きたのだろうか、と思いながら私はタクシーを拾て家に帰ることにした。
 それからが問題である。
 家についてから私は茫然とした。何故かというと、ドアが蹴破られていたからだ。いや、もしかすると蹴破たのではない。バールか何かの工具を使てこじ開けたのかもしれないけれど。
 それと不思議なことは部屋の中が何も荒らされていないということである。預金通帳の棚を見たけれどそれもそのままそこにある。今のところ何かを盗まれたという形跡はない。
 もともプロの窃盗団か何かが発見を遅らせるためにわざと荒らさないでおいたのかとも思たが、金品は盗まれておらず、他に何か盗むものがあたかなと首をかしげるのは私の方である。
 それでどうしたかというと、警察に電話したのだが、警察は今別の事件で忙しいそうである。先ほど会社で見たものだろうか。
 このご時世に警察の保護を受けることが出来ないなんで世の中どうかしていると思いながら私は大学時代の友人に連絡をした。
 だが何回コールしても電話に出ないのである。
 その時、部屋の中を見回すと一枚の紙切れが落ちていた。拾て読んでみると私は卒倒しそうになた。
 その紙には、「お前は知てはならないことを知た。絶対に逃がさない」と書かれていたからだ。
 そんな風にして私は謎の組織に追われることになたんだけど……人違いじない?
 
 追伸:この登場人物は男と女どちなんでしうかね。ろくなモン書けないよ。またく。以上です。
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