***********************【投票用紙】***********************
【投票】:No2 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
http://text-poi.net/vote/125/2/
―感想―
「モキュメンタリー」という映像作品のジャンルを
文章で上手に表現していました。
また、「モキュメンタリー」という作品を
知っている人ならではのオチが楽しめました。
気になった作品:No1 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/125/1
―感想―
作品に時代感を持たせようとする意気込みと、
テーマについて書こうとする真摯な姿勢がすばらしかったです。
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――総評――
今回はお題がとてもむずかしい。「道化」が書きやすそうだと思いましたが、それはオチが透けて見える(誰が道化なのかを探して読んでしまう)。「モキュメンタリー」はもともと映像手法のことなので文章で表現するのには限界がある。
No.2はその難しさを巧みに表そうとしていました。なので投票。
そして、No.3は「道化」を見事、作者自身でテーマを吟味して書き上げた。とても勉強になりました。ですから関心。
No.5はモキュメンタリーをドキュメンタリーとして書き始めた様子がうかがえました。
読み物としてはとても面白かったです。お題至上主義ではありませんが、お題がなければ魅力がないのも事実。
話の流れよりも、途中のコメディがかなり好きでそればかり印象に残ってしまうのが残念。
作品を包括して語りずらいものになってしまっています。作品としての一貫したテーマが見えませんでした。
きっとbnskもてきすとぽいもこういうのを求めているのだなぁと感じるのはNo.4。
パンチのある設定に、短い文章でとても読みやすい。作品全体の概要がすぐわかる。素晴らしい作品だと思います。
投票に至らなかったのは、作品の完成度を見てみた場合少し低いと感じたからです。
サバがどんな姿なのか、どんな様子で語っているのか、どんな匂いなのか、どんなしゃべり口調なのか、といった随所に気になる部分が書ける気がします。
それによって、サバが本来どう思っているのか、どうしてほしいのか、そして人類と魚の共存は今後どうなっていくのかまで幅を持って読者に想像させることができます。インタビューを受けるまで、大変な目にあった、というエピソードを付け加えても後半の「でも、それはある意味誇りであって、私たちが生きていられる根底なんです」に重みを付けられますね。
ここまで書く必要はないのかもしれません。ですが、これらがなかったので、「よくあるSFチックな短編か」と思い、流し読んでしまいました。
総評としては、どれも素晴らしい作品だったと感じます。どの作品も3回は読めるほど読み応え抜群でした。5作といえども、随分多い作品量だと感じます。
企画してくださった方、作品を投稿してくださった方々、そして感想・投票をしてくださった方お疲れさまでした。次回も楽しみにしています。