てきすとぽい
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おれの冒険ふたたび
(
ひやとい
)
投稿時刻 : 2018.02.17 23:06
字数 : 899
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おれの冒険ふたたび
ひやとい
おれは猛烈に女が欲しか
っ
た。
切望と言
っ
てもいいくらいだ
っ
た。
しかし母親と学校以外で、女と話したことがない。
職場も男ばかりの工場勤務だ。
女に対して臆病で、そうい
っ
たつきあいなどしたことがなか
っ
た。
声をかけるなど、とんでもないことだ。
そうしたわけで出会い系掲示板やマ
ッ
チングサイトを見ては見るものの、一歩前に踏み出す勇気がなか
っ
た。
どうしたらいいんだどうしたら
……
。
気がつくともうアラサー
にな
っ
ていた。
そんなある日、気晴らしに街へ出てみた。
普段静かな町に住んでいるので、人の多さに圧倒される。
巨大なところてんが押し出されているような人波。
いつも家にいるのがいい加減いやになり出てきてしま
っ
たが、とても気晴らしどころじ
ゃ
ない。
どうして街なんか来てしま
っ
たんだろうと後悔しはじめていた。
映画も見ずゲー
ムもパチンコもしないおれは、とりあえず自販機でコー
ヒー
を買い、駅からほど近い公園のベンチに座
っ
た。
園内は年寄りもちらほらといたが、若いやつらがほとんどだ
っ
た。
当然カ
ッ
プルもちらほらいる。
猛烈にうらやましか
っ
た。
く
っ
そー
く
っ
そー
。
なぜおれには女がいないんだ!
ますます街に来たのを後悔した。
とりあえず喫煙所じ
ゃ
ないのを承知でタバコに火をつけ、吐き出すとため息混じりの声を小さく出す。
すると、一人の女がこちらにや
っ
てきた。
見るからに丸い小太りの、あまり小奇麗じ
ゃ
ない感じの女だ
っ
た。
年は三十過ぎくらいか、あきらかに顔つきもメンヘラのそれだ
っ
た。
少しビビ
っ
ていると、女が隣に座
っ
てきた。 ヤバイ、逃げよう。
怖くなり立ち上がろうとした。
すると声がした。
「ねえ、援助
っ
て出来る?」
おれは久々に聞いた感のあるその言葉に、
「は?」
つい声を出してしま
っ
た。
すると女は立ち上がり、ぷいとよその方に顔を向けるとスタスタと立ち去
っ
てい
っ
た。
やばいこのままここにいたらやばい。
おれは思わず駅へ足を向け、そして走
っ
た。
電車の中でぐぐると、その街で有名な立ちんぼだ
っ
た。
ホストに貢ぐために身体を売る、風俗では雇
っ
てもらえないような典型的な女だ
っ
た。
おれにはそんな女しかや
っ
てこないのか!
女がほしいと切望したおれは、電車の中で一人絶望した。
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