第2回200文字小説コンテスト
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よくある話
ふた
投稿時刻 : 2018.04.12 22:34
字数 : 200
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よくある話
ふた


 朝目覚めると、右腕の側面に文が書いてあた。
「こちら側のどこからでも切れます」
 印刷されたような字が、手首から肘にかけて書かれている。
 疑問は多いが、それらがどうでもよくなるほど好奇心が疼く。
 本当に切れるのだろうか?
 切れたら大惨事だ。出血多量で死ぬかもしれない。それでも左手は右腕に伸びていく。皮膚をつまみ、ぐと力を入れた。

 その時から右腕の皮膚は、ビニールを引たかのようにぐにりと歪んだままだ。
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