第45回 てきすとぽい杯
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西
投稿時刻 : 2018.06.16 23:23
字数 : 164
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西
小伏史央


「西、始めました」
 あるときどこからともなく声がして、世界に西ができた。太陽は西へと沈むようになた。夜が始また。洞窟でもないのに暗闇に包まれた我々は、恐怖を覚えた。心が始また。しかし恐怖は、夜空に浮かぶ煌めきが和らげた。月と星が始また。星々の線を結び、我々は星座を見出した。星座は物語を生んだ。
 物語の、はじまり、はじまり。
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