第48回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉
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投稿時刻 : 2018.12.15 23:55
字数 : 389
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金銅鉄夫


「全く、ダウンロードしたフイルてどこに保存されるのよ。プリントして明日まで提出しなきいけないのに!」
 私が一人ブツブツ言いながら、リビングにある家族共用のパソコンと格闘している時だた。
「なに、このフルダ?」
 深く考えずに開いてみると、中には画像フイルが大量に保存されていた。サムネでは暗くてよくわからなかたので、一つの画像にカーソルを合わせて開くと、ウンドウに半裸の弟が縛られている写真が大きく表示された。目隠しをされてはいたが、坊主頭や口元、それに体格などから、弟に間違いなさそうだ。
 どうやら、こういう写真がたくさん保存されている様子だた。

 狼狽えた。

 母が帰宅するのを待ち、画像を見せながら相談していた。
「相手は大人の人みたい。一瞬だけど、撮影した相手の手が写ているの。ほら、ここ。特徴的な付け爪が見えるでし……そう、今お母さんが付けているのに、ソクリ!」
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