てきすとぽい
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第48回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉
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レッツプレイ
(
ポキール尻ピッタン
)
投稿時刻 : 2018.12.15 23:43
字数 : 1534
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レッツプレイ
ポキール尻ピッタン
寄り掛か
っ
てきた薫は僕の肩口を少し噛むと、艷やかな瞳を真
っ
直ぐ向けて顎に力を込めた。
「痛
っ
」
思わず悲鳴を上げ、薫を振り解こうと体を振るが、縄のようにキツく結ばれた薫の両手は僕を決して開放しなか
っ
た。
「痛いからやめなよ」
薫は小さく左右に首を振ると、顔の角度を変えて犬歯を深く肌に食い込ませた。
皮膚は歯を中心に同心円状の皺を描き、引
っ
張られた毛穴が楕円に伸びていく。僕の眉間の皺もそれに合わせて深く刻まれる。
「いや、ちんこを弄られても痛みはなくならないからね」
僕が抵抗するのをやめたから、薫は申し訳程度に僕の股間を触る。少しは気持ちいいけれど、快楽に溺れるには肩の痛みが強すぎた。
「もうすぐだから」
唾液を啜る音に混じ
っ
て薫の言葉にならない声が聞こえる。歯の先に滴る唾液は僕の皮膚に小さな泉を作
っ
ていた。
不意に皮膚の緊張が解かれ、泉は淡く赤色に染まる。僅かな盛り上がりの後、一筋の川とな
っ
て腕を伝
っ
た。流れに沿
っ
て薫は血液を舌先で追う。穴に吸い込まれるような音が響き、僕の肩から血の川は消えていた。仄かに赤らんだ傷口に薫は唇をそ
っ
と当てる。
「ねえ、裕太の血はわたしの血に混じるのかな?」
火照
っ
た顔が近づいてくる。空気が熱を持つのを感じる。薫の熱か、自分の熱かは判然としない。
「わたしだ
っ
て、このくらい痛か
っ
たんだから」
初めて身体を重ねた僕たちは、貪るようにお互いの唇を求める。明日が来ることなんて微塵も頭にないみたいに、この時間を永遠に引き伸ばすみたいに。
腕を組んだまましばらく目を閉じていた部長は、噛みしめるようにゆ
っ
くりと頷き、僕の肩に手を置いた。
「素晴らしか
っ
たよ。いくらAVを観たところで、俺たち童貞には実際のプレイなんて想像できないものな。そこを逆手に取
っ
て、裕太はピロー
トー
クを妄想のメインに据えた。しかも言葉で愛を語るのではなく、プレイで愛を語
っ
た。さ
っ
きの川崎の、これで僕たちは一つになれたんだね、は、なんて薄
っ
ぺらい表現だ
っ
たんだろう」
「部長の、俺たちは結び合う運命だ
っ
たんだよ、だ
っ
て陳腐すぎるじ
ゃ
ないですか」
血相を変えて身を乗り出した川崎は、勢い余
っ
て机からシ
ャ
ー
ペンを落とした。拾
っ
てあげて腕を伸ばすと川崎は乱暴に僕からひ
っ
たく
っ
た。
「お前だ
っ
て、お前だ
っ
て、童貞なんだからな」
お互いに周知していることをあえて言葉にしなくてもいいだろうと、僕は笑いを堪えながら川崎を睨む。部長は川崎の妄想をふざけた言い方で繰り返している。
大宮南高校囲碁部。これが僕らの日常だ。他愛もない話から、今回の妄想初体験お披露目会は開催された。入部から3
ヶ
月、僕はまだ囲碁のルー
ルを知らない。
青木薫は長身の美人である。くり
っ
とした大きな目には愛嬌があり、普段から笑顔を絶やさないのでクラスの人気者だ。聞き上手でいつも女子からいろいろな相談をされる。面倒だと思うこともあるが、目立たず穏やかな日常を送りたいと心掛けているので、なるべく相手の都合に合わせるようにしている。その理由は中学の頃、背の高さと整
っ
た顔立ちを妬まれ、いじめられたことがあるからだ。
クラスのイメー
ジと違
っ
て、自分は引
っ
込み思案だと薫は思う。変わりたい気持ちはあるのに、我を出すのを躊躇
っ
てしまう。自分が変われないのなら、誰かに変えて欲しいとも思う。王子様を待つなんて少女趣味だと笑われるだろうけれど、いつか、自分を引
っ
張
っ
てくれて自分らしくいられる人と出会いたい。
好みのタイプは堀の深い顔で自分よりも背が高く、リー
ダー
シ
ッ
プがあ
っ
て、いろいろな場所に自分を連れ回してくれるバイタリテ
ィ
ー
もある。お洒落にも気を遣
っ
て欲しいから、坊主頭ではないサ
ッ
カー
部とかテニス部がいい。もちろん、文化系の部活の男の子はNG。
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