第57回 てきすとぽい杯
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気になるあの娘のぷりんとしたお尻
投稿時刻 : 2020.06.13 23:33 最終更新 : 2020.06.13 23:39
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- 2020/06/13 23:39:48
- 2020/06/13 23:37:23
- 2020/06/13 23:33:21
気になるあの娘のぷりんとしたお尻
合高なな央


 武道館の前のバス停に車体を震わせてバスが到着し、僕は疲れた体で車両に乗り込む。
 我が校の剣道部は今日、市内の高校の合同稽古に出向いていたのだた。
 
「やあ」
「おう」
 バスの中、横向きのベンチシートに腰掛けた彼女がいた。気になる幼馴染みの夏菜子と偶然に居合わせたのである。
「となりあいてるよ」
「お、おう」
 はにかみながらも、ありがたく隣に座らせてもらう。
 他にもあいた席があたが、すぐに武道館帰りの高校生たちで埋まりバスは出発した。

「部活だたの?」
 乗客たちの人いきれや話し声の雑音のなかで彼女は身を寄せるように聞いてくる。
「そう」
「剣道部だけ、いいよね。なんか武士道ていうか誠実そうじん」
「なんで? 夏は防具が暑いし冬は板の間が寒いし、いいことなんかなにもないよ」
「そうね。たしかに少し汗臭い」
……ご、ごめん」
「うふふ、いいよ嫌じないし。実は私匂いフチなんだ」
 僕は夏菜子の笑顔にキンとなたが表には出さないでいた。
 
「夏菜子は? なんでこんな時間まで? 部活はいてたけ?」
「ううん。ちと友達がね、修学旅行のしおり作るの手伝てたんだ」
「へえ、感心だねえ」
「なにそれ、大人ぶて。」
 
 次の停留所にバスが停まり、乗客が乗り込んでくる。
 夏菜子は「あ、どうぞ」とそこに乗り込んできたおばあちんに席を譲る。
「俺が立つよ」
「いいよ、部活で疲れてんでし
「だからて女を立たせるわけには」
「いいからいいから。それに座てるといいことあるかもよ」
「いいこと」
「このカーブを曲がた先にね…… やぱり内緒」
 と夏菜子は含み笑いをする。
 やがてカーブを曲がるとそこには、
「ほら」
 
 高台の下り道から都市風景をバクに沈んでいく雄大な夕暮れの風景が開けた。
「きれいだね」窓の外を前かがみに覗き込むように彼女が行た。
 座席からは座たままで夕陽が見える。でも正直なところ僕は目の前に揺れる彼女のスカートのふくらしたお尻に目が言てしまう。
 とふと振り向いた彼女がいたずらぽい目で、言た。
「何見てるのかな?」
 
「え、べ、べつに。夕陽に見とれてたんだけど」
「ふーん」と言た彼女は。
 つり革から手を放し僕に顔を近づけ耳元で囁いた。
「ねえ、私のぷりんとしたお尻見たいんでし?」
 な、なんだてーと内心驚いたが、悟られてはいけない。
「べ、べつに」
「正直になたら見せてあげてもいいんだけどな」
 
 僕は彼女の魅力に抵抗できず素直につぶやく。
「み、見みたいです」
「オケー」と彼女はローラのように叫ぶと学生カバンからB5くらいの紙を取り出し渡してくる。
 なにこれ?――紙には真ん中に大きな文字で『おしり』と印刷されていた。
 
「なんですかこれ?」と敬語で質問する。
 
「これはねえ、プリントした『お・し・り』よ」
 そう言うと、彼女は木琴のような音色で屈託なく笑た。
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