第62回 てきすとぽい杯
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ある日の記
投稿時刻 : 2021.04.17 22:57
字数 : 510
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ある日の記
ひやとい


 この○○を読んではならない。
 散歩中に腹を下したので公園のトイレに駆け込むと、座た目の前の壁に、そんな事が縦書きで書いてあた。
 ふと、上を見ろ、から矢印が書いてあて、先には右を見ろ、という指示をそのまま続けるとバカが見る、なんていう落書きを思い出す。
 たいてい公衆トイレの落書きなんてものは半分以上が走り書きで、内容もロクでもないものだが、これは妙にしかりとした字で書いてあて、なんというか圧迫感すら感じる。横に小さく、何年何組某誰それ、なんていう署名でもしてありそうだた。
 そんなことを思ているうちに腹が落ち着いたので、処理をして個室から出た。
 公園のベンチで一息つき、あたりを見回て帰宅すると、手洗い後ソフに座り、テレビをつけた。映たのは天気予報だた。
 ぼうと見ながら、ふとさきの落書きを思い出す。
 あれを書いた人は何を思たのか。
 トイレの落書きなのになぜ伏字なのか。
 あんなにしかりした、きれいで堂々たる字で書きたいほどの内容だたのか。
 なんとも不思議だたが、たいていのことは、世の中には変わた人がいるもんだと思うと、あらかた解決はつく。そういうものなのだろう。
 そんなことを思う今日この頃であた。
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