てきすと怪
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臭(((
森™
投稿時刻 : 2013.09.05 23:06
字数 : 831
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臭(((
森™


Aは仕事に追われ、疲れた身体をひきずり帰宅するのは、いつも深夜のことだた。
と玄関を開き、忍び足で部屋に明かりを灯す、
ふわと柔らかい光が、テーブルに置かれた晩ご飯を優しく照らすのだた。
眼鏡を外して、今日という一日を少し思うのが、いつものAだた。
浴室前、汗まみれの洋服を洗濯物籠に脱ぎ捨てると、リヴングルームの向こう側、
………… と障子が開き、内縁の妻が顔を出した。

「あなたの洗濯物……。私とB(息子)の洗濯物と一緒にしないで……

そして ………… と障子が閉まるのだた。
Aは暫く呆然とし、自分の耳を疑いつつも、浴室へと入る。
ワーのお湯を頭頂に当て、滴る温水の路を身体に感じながら、
先の言葉を繰り返し瞼に映していた。
人間、ある程度の年齢に差し掛かると、特に男性は加齢臭と言われる匂いを放つという。
Aは浴室でひとり、自ら全裸の身体を匂たりした。
特に変な匂いはしなかた、同時に、その寂しい言葉を
残業に急かされ一生懸命働いている自分に放たれた、その哀しい言葉を
再び思い返すと今までの岐路が過るのだた。
同じ道をゆく伴侶を得、人生という長い道をお互い支えあて歩もうとする、
それぞれ産まれ育た環境の違いを認め合いながらも歩もうとする、
そのパートナーからの冷酷なメセージを噛みしめるのだた。
仕事に疲れて言葉を返せなかた、
悔しいのか情けないのか、判断のつかない涙が流れようとする、

その、泣きかかる一瞬、一瞬のなかの瞬間。
泣く衝動に後頭部がわずかに熱を帯び引き締まる、0.00001秒の小さな世界の出来事、
Aの耳の後ろの毛穴から、微粒子状の泡のようなものが生まれ、
浴室の扉をすり抜け、
漂い、
リヴングルームを旅し、
扇風機の風に乗て、うまい具合に障子の隙間を通過し、
寝室で寝ている内縁の妻、
その隣で寝ているBの鼻の中に吸い込まれていくのだた。
内縁の妻が言た、その言葉を取り消さない限り、
Aの匂いはBに移植され続け、Bも次第に臭くなるのだた。
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