200文字小説コンテスト
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墨刑
志菜
投稿時刻 : 2014.03.24 00:28
字数 : 200
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墨刑
志菜


「誠意なんかもろても腹の足しにもならんわ」
「銀三百匁払えんのやたらしうないな」
 おゆうと、その亭主に突き出された挙句の沙汰は、軽追放及び腕への入墨。
 でも、わては信じてる。おゆうの言葉は、本心やないと。
 昼過ぎ未の刻に、亭主に見つかり追い詰められて、悪態をつかざるを得んかた悲しい嘘やて。
 だからこの入墨は墨刑やない。入黒子や。
 命を懸けて、惚れおうた印や。
 ……とでも思わな、あほらしいてやてられんわ。
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