わたしはそれを見ている。広大な平原が広がっている。二つ小さな点が盛り上がっているようにも見えるが、ここからの様子ではよくはわからない。それが固いものなのか柔らかなものなのか、触り心地のよいものなのかそうでないものなのか、それもわからない。長き旅路に疲れたわたしを癒してくれるものならいい。それならどれほど嬉しいことだろう。わたしは手を伸ばす。平原だと思っていたのは誤りだった。それは豊かな大地だった。
わたしはそれを見ている。なだらかな平原に一つの丘が盛り上が
っている。その頭頂部には宝石のような珠があり、それはわたしを強く引き付ける。その丘が固いものなのか柔らかいものなのか、触り心地のよいものなのかそうでないものなのか、わたしにはわからない。ここから見る限りでは、柔らかで、とても豊かなもののように思える。わたしはそれに手を伸ばす。豊かであるように見えていたのは、誤りだった。ちくしょう、またかよ。