200文字小説コンテスト
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ガイドと旅人「一本足の一生」
投稿時刻 : 2014.03.30 21:07
字数 : 200
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ガイドと旅人「一本足の一生」
ra-san(ラーさん)


 土地のガイドの話だと、この荒野に一本足がいるという。

「あちらです」

 そこそこに白い岩が転がる乾いた土地に、巨大な一本足が生えていた。地響きを立てて動く足は、雲の上まで伸びている。

「あ」

 その時、足がぐらりと揺れた。岩に躓いたのだ。
 足は転んだ。

「立てるのかね?」

 土煙に沈む足を指差しガイドに訊く。

「いいえ。一本足ですから」

 ここの白い岩は全て足の骨だそうだである。
 転んだら最後。足の一生は一度も挫折できない。
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