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第20回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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モンステラの葉(アイテムカード)
 投稿時刻 : 2014.08.23 17:58
 字数 : 1000
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モンステラの葉(アイテムカード)
三和すい


 森を歩いていた酔いどれペンギン剣士は、地面で鳴いている雛鳥を見つけた。
 カラスの子であろうか。体を覆う羽はもちろん、くちばしや足まで真黒だ。まだ飛べないのか、それともケガをして動けないのか。近づいても地面に座り込んだまま鳴き声を上げるだけで、逃げようとしない。このままでは他の獣の餌食になてしまうだろう。
「仕方ない」
 酔いどれペンギン剣士は、先日不思議な森に迷い込んだ。そこで不思議な娘に出会い、彼女と約束した。自分が今まで狩りで奪た命と同じ数の命を助けると。
 酔いどれペンギンは雛鳥をそと抱き上げると、森の中を歩き始めた。
「お前の家はどこなんだ?」
 雛鳥はピヨピヨと鳴く。こちらに話しかけているようにも聞こえるが、あいにくと呪いによてペンギンの姿になた身。鳥の言葉は理解できない。
 それでもどうにか鳴き声を聞き分けて、雛鳥が喜ぶ方向に足を進める。
 やがて、酔いどれペンギンはほとんど光が射さない森の奥へとたどり着いた。
「ここにお前の家があるのか?」
 ピヨピヨとうれしそうな声をあげると、雛鳥は地面に飛び降り、森の奥に消えてしまた。
 仕方なく、酔いどれペンギン剣士が来た道を引き返そうとした時だた。
 辺りが漆黒の闇に包まれた。
 深い闇の奥から声が響く。
 ――道に迷いし我が子を、ここまで連れてきたのは汝か?
 威厳さえ感じるその声に、酔いどれペンギン剣士は咄嗟に背中のゴルフクラブに手を伸ばす。すると、再び声が響いた。
 ――我はこの森の主、闇鳥。我が子を助けてくれた礼として、汝にこれを授けよう。
 酔いどれペンギン剣士の前に、一枚の葉がゆくりと落ちてくる。手に取ると、よく目にする観葉植物の葉にしか見えないが、
 ――それは、この森の深い闇にも耐え抜いて育たモンステラの葉。一度だけだが汝を闇の力から守てくれるであろう。持ていくがよい。
 そう言うと、漆黒の闇は消えた。辺りは再びただの薄暗い森に戻ている。
「ふむ」
 酔いどれペンギン剣士は手にした葉を改めて見つめた。
 どうやらとても貴重なもののようだが、
(どうせなら、森の外まで運んでほしかたな)
 雛鳥の鳴き声に従いながら森の奥に足を踏み入れた酔いどれペンギン剣士は、帰り道がわからなくなていた。とりあえず明るい方へと歩き始める。
 手持ちの酒が残り少ないことを気にしつつ、酔いどれペンギン剣士は森の外を目指した。


【効果】
 どんな闇属性の攻撃でも、一度だけ防いでくれる。
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