第20回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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倒れし仲間との絆
投稿時刻 : 2014.08.31 14:08
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倒れし仲間との絆
三和すい


「しかり! しかりして、ペンギンさん!」
 ブンタ少年は必死に声をかけるが、魔王の力によて倒れた酔いどれペンギン剣士は目を開けなかた。助けた女性の腕の中でピクリとも動かない。
(どうしよう……
 仲間のヤマタは別の場所に監禁されている人々を助けるために別行動をしている。自分を召喚した魔術師の少女は途中で倒れた。死んでいないが、魔力を使い切り動けない状態だ。他の仲間たちも魔王軍との戦いで傷つき倒れ、一緒に魔王の間まで来た酔いどれペンギン剣士の命も消えかかている。
(僕が倒すしかないのか?)
 けれど、魔王を倒せるのだろうか。
 元の世界ではただの普通の学生だた。母親に鍋の材料を買てきてほしいと頼まれ、スーパーに行た帰り道に、こちの世界に召喚されただけで、特別な力なんて何もない。
(いたいどうすれば………
 絶望にかられたブンタ少年の頭に、酔いどれペンギン剣士の声が聞こえてきた。

『いいか。強くなるためには、普段から戦いを意識しなければならないのだぞ』

 前に、酔いどれペンギン剣士が言ていた。
 夕飯の後、青竹踏みをしつつ、右手で本を開き、左手で頭の上に乗せたグラスにお酒を注ぎ、器用に晩酌をしている姿をブンタ少年があきれて眺めていた時だた。

『これは戦いの訓練をしているのだ。利き手である右手をやられたらどうする? 命をかけた戦いなら敵は待てくれないぞ。右手がダメなら左手で戦うしかない。時には剣を振るいながら逃げなければいけない。だから、日頃から両手と足を動かす訓練をしなければならないのだよ。けして「ああ、本も読みたい。酒も飲みたい。けれど運動もしないと体重が増える。ええい、いそのこと全部いぺんにやてしまえ!」なんて思ているわけではないぞ』

 あの時は本当かと疑てしまたけど、
(ペンギンさん、わかたよ。僕はどうすればいいのか)
 ブンタ少年は、床に転がていたゴルフクラブと出刃包丁を拾た。
 口に出刃包丁をくわえ、右手にゴルフクラブを持ち、左手にライス・ソードと呼ばれている剣を握りしめ、白菜を頭に乗せ、おしりのポケトに入れた携帯電話が急に鳴り出して「あ、母さん? オレオレ」という声が聞こえてくる。
(みんな、僕に力をかして!)
 ブンタ少年は仲間たちの武器を手に、魔王に向かて走り出す。


 広間に、魔王の絶叫が響き渡た。


【効果】
 倒された仲間の能力や武器を、一度だけまとめて使うことができる。
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