入れ子
ぼくは小説を書いている。「入れ子」というタイトルだ。コンテストの締め切りまで時間もない。ぼくは大急ぎでキー
ボードを叩いた。この頃寒くて、手がかじかんでいるのが難点だな。そう思いながら、文字の埋まっていく原稿を無心で目で追いかけ続けている。
内容はこうだ。
ぼくは小説を書いている。「入
れ子」というタイトルだ。コンテ
ストの締め切りまで時間もない。
ぼくは大急ぎでキーボードを叩い
た。この頃寒くて、手がかじかん
でいるのが難点だな。そう思いな
がら、文字の埋まっていく原稿を
無心で目で追いかけ続けている。
内容はこうだ。
(後略)
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そんな小説を読んだ。ウェブ上に投稿されていたその作品は、作者によると「コンテストに出した前衛的な小説」とのことだが、残念ながら下手なメタフィクションにしか見えなかった。引用部分だけでは、メタフィクションかどうかも怪しいだろう。入れ子構造を指していると見られるタイトルもあまりに陳腐である。それに、「前衛的」という言葉はたいてい、読者が処世的に用いるものであり、作者が自らの作品に附す言葉ではない。
メタフィクションはある作家により一時期隆盛を見せ、現在も公募にはその系統の作品がよく投稿されているという。しかし筆者が見るに、その時期からメタフィクションというものは一切進展していない。メタフィクションはもはや文芸に浸透した普遍物であり、まったく新しくないのである。
多くの作者はメタフィクションを書くとき、「メタフィクションを書くこと」で満足しがちである。しかしこれはまったく新しくない、古くから知られていることをさも自分が初めて発見したかのように見せびらかすこどもの行為となんら変わりない。現代でメタを書くのであれば、より新しく、工夫を凝らしていただきたいものである。
――牛田仁, 2012年, 「メタフィクションについて」, <http: >, 2014年11月15日アクセス
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「冗談も甚だしい。あのPRはまったくの嘘つきだ」(T.ウィーナー「入れ子」より)
了
☆作者あとがきのコーナーですっ☆
いかがでしたでしょうか??
筒井康隆の「ビタミン」ほどじゃありませんけど、こういう架空の引用を連ねて小説を書くっていうのやってみたかったんです☆
楽しんでもらえたなら嬉しいです><
最近寒くなってきましたね。みなさんも風邪にはお気をつけて……。
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というしょうせつをサイトでよみました。よくわからなかったです。でも、うしださんは、しょうせつをかいているひとのことがきらいなんだなぁっておもいました。
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読書感想文でウェブ小説を読んでくる時代か……。(雑感)
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以上のテクストはマルコフ連鎖によって生成されました。みんなもやろうよマルコフ連鎖!