第24回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉
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投稿時刻 : 2014.12.13 23:23 最終更新 : 2014.12.13 23:44
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- 2014/12/13 23:44:42
- 2014/12/13 23:23:34
カフェオレ side B
晴海まどか@「ギソウクラブ」発売中


 こんにちは。え、女だと思わなかた? ちんと、目印にルビーの指輪つけてくるて言たじない。ほら、このルビー、血みたいに赤くてキレイでし? 宝石には興味がない? それはごめんなさい。ほら、最初から不機嫌にならないで。
 注文は? カフラテ? お砂糖はいらないの?

 契約書のとおり、あなたがこれを何に使うのか、参考までに最初に聞かせてもらたわけだけど。
 あなた、彼のことが本当に憎くて憎くてしうがないのね。面識があるわけでもないのに、不思議だわ。私がクリエイテブな仕事をしてるわけじないから理解できないだけなのかもしれないけど。行き場がない承認欲求のはけ口、ほかに見つけられなかたのかしら。
 ――怒らないでよ。こちだて危ない橋渡てるんだから、腹割て話してくれたていいじない? 悪気はないのよ、別に。
 あなたが欲しがてたものは、ちんと専門の業者から預かてきたから。
 何、こんな軽々しくカフなんかに持てくるなて? 心配性なのね。文字だとあんなに偉そうなのに、実際は子猫ちんみたい。

 あそうそう、あなた、フルターバブルて言葉、知てる?
 検索エンジンで検索し続けてると、検索履歴なんかから、その人が欲しいと思てる情報に最適化された情報ばかりの検索結果になうことを指すの。要は、自分に都合がいい情報しか入てきにくくなるてことね。例えば、ダイエトしたいけどあなたがひどいぐうたらだた場合、簡単ダイエト法、みたいな情報ばかり引かかるようになてくるてことよ。――もう、すぐ怒らないで。別にデブだなんて言てないじない。
 それでね、ずとネトの世界にいると、そのフルターがどんどん強力になて、自分に都合の良い狭い世界しか見えなくなてくるから気をつけた方がいいそうよ。井の中の蛙て奴ね。責任が発生しない匿名での書き込みも、自閉的な世界の構築にしか役立たないそうよ。――え? これも余計なお世話だて? ごめんなさいね、おせかいで。あなたと私の関係も、ネトでのつながりしかなかたものね。つい会えて嬉しくなたのかしら。
 え、あなたは希望の品を持てささと帰るといいわ。カフオレは? もういらない? それは残念ね。じあありがたくいただいておくわ。お代は結構よ。

 お前はいつまでこの店にいるのかて?
 実は、これから大切な友人とここで会う約束をしているの。一時間後だけどね。だからあなたは気兼ねなく帰ていただいて結構よ。
 お前なんかにはもう会いたくない?
 奇遇ね。私もまたく同じことを思ていたわ。

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この作品は、『第24回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉』投稿の
『カフモカ side A』の裏サイドです。
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