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第25回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動3周年記念〉
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初恋の人はヴァン・アレン帯を通過していった
 投稿時刻 : 2015.02.14 23:40
 字数 : 2558
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初恋の人はヴァン・アレン帯を通過していった
゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.


 携帯が震えたのですぐに飛びついた。今日は一日中、彼からの連絡を待ていたのだた。私は恐る恐るラ●ンの画面を開く。
『ごめん、もう寝てた?』
 中学時代の同級生だたイチローからのメセージが表示されている。時刻は23:00で、普段の私なら確かにもう寝ている時間だたけれど、今日はずと彼のことが心配で眠れやしなかた。
 待ちに待ていた連絡だたのに、肝心なことが何も含まれていないので、私は聞きたいことをそのままストレートに聞いて良いのか不安になてしまた。
 今日はイチローが受験した東京の某有名私立大学の合格発表日だた。結果が出たら真先に私に教えてくれると言ていたので、一日中その連絡を待ていた。イチローは中学の時から学年で一番優秀だたし、大学受験の模試でもいつも合格判定はAだと聞いていたから、私は全く心配していなかたのだけれども、合否は午前中にはもうインタートで確認できていたはずなのに一向に何の連絡もないから、もしかして、もしかして……なんてハラハラしていたのだた。
「起きてるよ」
 とだけ返したけど、既読になてから45秒経ても返信がなくて、いてもたてもいられず、
「大丈夫?」
 と続けて送た。今度は10秒で返信が来た。
『大丈夫』
 それからすぐに、
『大学、受かてた』
 と続いた。
「よかたね!おめでとう!」
 クマがバンザイしているスタンプと一緒に送た。
『ありがとう』
「そか、イチローも春から大学生かあ」
「東京、行うんだね」
 そう打て送信してから、急に寂しさが込み上げてきた。私は高専生だから、これから二年はずと地元にいる。今までも別の高校に通ていた上に受験生だたイチローとは頻繁には会えていなかたけど、東京に行てしまたら、もと遠くなる。
 既読になてからたぷり90秒経てから、イチローから返事がきた。
『あのさ、明日、会えるかな?』
『話したいことがあるんだけど』
「え何?」
「今じだめなの(クマの頭上にハテナが浮かんでいるスタンプ)」
『大事なことだから、直接会て話したいんだ。ダメかな?』
「わかた、明日、暇だよ、大丈夫」
 私はなんだかドキドキしてきた。明日は2月14日だた。合格発表が控えているイチローに約束取り付けるなんて悪いかな、と思て黙てたけど、実はいつデートの誘いがあても良いように、すでにガトーコラを作てラピングを済ましてあるのだた。
 イチローとは中学の時からずと5人ほどの男女の仲良しグループでつるんでいて、腐れ縁みたいな関係だたけど、私はずと男の子として意識していたし、周りの子たちにも、付き合えよ、なんてはやし立てられちうような関係だた。イチローも絶対、私の事は嫌いじないと思う。でも、なんだかタイミングがなくて、どちらからも、恋人の関係に踏み出そうなんて言い出すことがないまま、6年間今の関係が続いてきた。
 でも、4月になてイチローが東京に行てしまたら、今まで通りにはいかなくなる。
 大事な話て何だろう。期待していいんだろうか。
 待ち合わせの時間と場所を確認する手が震えた。

 世界一美しいと言われる駅裏のス●バは混んでいた。座れる席があたのはラキー。さすがに客はカプルばかりで、私たちも周りから、高校生カプルだと思われてるかな、と思うとテンシンが上がた。とびきりのおしれをして行たら、イチローはスカート珍しいね、かわいいよ、と言て笑てくれて、そんなこと言てくれたことなんて今までなかたのに、と思いながら、嬉しくて、頬がかと熱くなた。包みを渡したら喜んでくれた。
「ありがとう」
 それから、何か考えるように、スタークスラテの入たカプを見つめて沈黙しだした。
 私はしびれを切らして、話をせかした。
「話したいことて、何」
「うん……
 イチローは尚も数秒ためらうように沈黙した後、切り出した。
「ごめん、マナミ、今まで、ありがとう。もう、お前とはこうやて会うことはできないんだ」
……? は? なんで?」
 思てもみなかた言葉に、私は間抜けな声を出す。
「なんで?」
 もう一回そう言うと、イチローは急に頭を深々と下げた。
「大学に行たら、もう、ここには戻てこれない」
「えいや、何言てんの、東京でし、ホワイトデーに新幹線も開通するし、め近くなるじん、どういうこと」
「違うんだ……ごめん、俺、ずと、上●大学受験するて言てたけど、嘘なんだ」
「え? じあ一体どこの大学に行くの?」
 突然のことに私の頭は大混乱していた。なんでそんな嘘つくの? と思たし、別に東京以外の大学に行て、イチローがここに戻てこなくなる理由にはならないんじないの?
「実は、俺が春から行く大学は、ここから40億光年離れたポポロン・テラテラ星雲にあるレレリプロポン工科大学なんだ。俺、実は宇宙人なんだ。6年前、留学生としてこの星にやてきたんだ。俺、ブリプリデラボボガ星の王位継承者で……
「は? ちとまて意味わかんない、てか、何それ、信じられるわけないじんそんな話、何言てんの、私の事好きじなくてもう縁切りたいんならはきりそういえば良いじん、なんでこんな日に思わせぶりな態度で呼び出して期待させておいてこんなバカバカしい作り話すんの、サイテー、あんたがそんな男だと思わなかた!」
 私はおもわず手元にあたチコレート・オランジ・モカをイチローの顔めがけてぶかけた。ぶかけようとしたけど、クリームが重すぎてテーブルの真ん中にボトと落ちて終わた。大声を出した私に、周りの幸せそうなカプルたちの視線が集まて、私はいたたまれなくなてその場を逃げ出した。イチローは追いかけてきたりしなかた。
 それから彼とは二度と会ていない。

 ほくりくしんかんせんが開通してから10年もの月日が経た。私は高専を卒業した後某工科大学に編入し、そのまま大学院に進学し、物理学博士号を取得し、電波望遠鏡の研究所に入所して研究者になた。
 そして今年の2月14日、信じられないことが起こ
 ライバルの研究所が、40億光年先に新たな星雲を発見したのだた。
 それはポポロン・テラテラ星雲と名付けられた。
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