てきすとぽい
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てきすと怪 2015
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首切り地蔵
(
茶屋
)
投稿時刻 : 2015.08.15 12:20
字数 : 2727
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2015年8月15日
朝から太陽が照
っ
ていて、今日は一日暑くなりそうだなどと思いながら、煙草を吸うなどして朝を過ごした。
幸い県の神社庁のデー
タベー
スにF神社が載
っ
ており、住所は知ることができた。
ところが、である。
いざ出発しようとすると、土砂降りにな
っ
た。
ごうごうと雨が降り注ぎ、庭の砂利道が底の浅い川のようにな
っ
ている始末である。
今日は、無理か
……
。
半ば、諦めかけていたのだが、幸いにも雨が小ぶりにな
っ
た。書店で本を買う予定もあ
っ
たので、先に書店に行
っ
て目的の本を買う。
さて、いざF神社へ、と車のナビに住所を入れる。
意外にも、母校のすぐ近くであ
っ
た。
ナビに従い、車を走らせる。
ところが、ついた先はかなり狭い農道であ
っ
た。
「目的地付近に着きました。案内を終了します」
農道の真ん中で、非情にもナビはそう告げて案内を終えた。
しばらく走るが、農道である。畑と果樹園、そんなものしか見えない。
しかし、ふと横手に鬱蒼と茂る林が見えた。神社、仏閣特有の背の高い杉林だ。
だが、農道から車が入れるような道はない。
なので、再び表道に出て回りこんで入ろうと思
っ
たが、表の道からは、神社のようなものは見当たらない。
結局ぐるぐるまわ
っ
た末、道端に車を止めて、歩いて杉林を目指した。
やはり、神社であ
っ
た。民家の裏のようなところにあるため、表道からは見つけられなか
っ
たようであ
っ
た。
古く寂れた地域の神社特有の薄暗さを感じながら、名前を確認する。
目的のF神社である。
御祭神は木花咲耶姫命。
せ
っ
かく来たので拝む。
さて、目的の地蔵を探すが、なかなか見当たらない。
神社の脇に立つ、小さな供養塔か石碑が無造作に並べられている中に、それはあ
っ
た。
地蔵?
最初に思
っ
た感想がそれである。
普通、一般的に想像されるような石造りの地蔵ではない。
素焼きである。
あの特有の土器のような橙色。
ボロボロ、崩れかけた胴体は一部完全にかけて、穴も開いている。
首はある。
しかしその首は転げ落ち、手前側に置いてある。
確かに、地蔵と言われれば地蔵なのだが、どうにも想像とかけ離れていて、なんとも釈然としない気持ちにな
っ
た。
果たしてこれが「首切り地蔵」であるのか。
素焼きなので、石に比べれば鮮やかで、本当に古い時代のものかも判然としない。
確かに、不吉にも首は落ちているが、わざと落としたものではないのだろう。一度はセメントのようなもので修復されたようなあとも残
っ
ている。
わからない。これが目的の「首切り地蔵」であるのか。周囲を探しても、他に地蔵は見当たらなか
っ
た。
違うかもしれないが、そうかもしれない。
手を合わせて拝み、さらに心のなかで許しを乞うた上で、胴体と頭の写真を撮影してきた。
以下のURLがその写真である。
http:/
/
www.
fastpic.
jp/
viewer.
php?file=7265197299.
jpg
http:/
/
www.
fastpic.
jp/
viewer.
php?file=0617579576.
jpg
http:/
/
www.
fastpic.
jp/
viewer.
php?file=1871072637.
jpg
朽ち果てた姿が、哀れにすら思えてくる。
首を戻そうかとも考えたが、どうせまた落ちてしまうし、落下して割れたらそれこそ大変である。
地元の方が、保全に努めてくれるのを願うばかりである。
現在、特に奇怪な現象に遭遇するなどはしていない。
もし何かあれば、追
っ
て記すが、地蔵とは本来祟るようなものではない。
あまり期待してもらいたくはないし、私もあまり期待していない。
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