てきすとぽい
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てきすと怪 2015
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はじめての体験
(
sizulu
)
投稿時刻 : 2015.08.15 14:55
字数 : 1377
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はじめての体験
sizulu
私は不思議で怪奇な話が好きだ。
ち
ょ
っ
ぴり怖く興味をそそられる話は、今でもつい読んでしまう。
ただしTVなどのホラー
は苦手。
誰かと一緒ならいいが一人で見ることができないという。
そう、怪奇好きとはいえ、中途半端者なのである。
今は特に宇宙やパラレルワー
ルドなどち
ょ
っ
とした夢があるような話が好きだが、学童時はも
っ
ぱら心霊系の話に興味津々だ
っ
たのを覚えている。
当時は今よりも心霊、怪奇特集がTVで放送されることも多く、翌日の学校では、やれ
~
の霊は怖か
っ
た、やれ
~
の写真は偽物に違いないなど、いつも話題にのぼ
っ
ていた。
そして同時期、クラスでこ
っ
くりさんなどが流行
っ
たり、学校の七不思議を言い合
っ
たりしているクラスメイトがいたり。
今思えば不謹慎なことをしていたかもしれないが、当時の子ども達にと
っ
て、心霊や怪奇現象はそれぐらい生活に密着していたのだろう。
そんな少々痛々しい学童時を送
っ
た私も大人になり、心霊なんてほとんどが気のせいかフ
ェ
イクなんだと思い始めていた社会人なりたてのある日。
とある不思議な体験をしたことをふと思い出すことがある。
たぶん文章にしたら、さほど怖くない話であろう。
でも、今まで実際自分で体験したことのない、少し不可思議な出来事。
子どもの頃は恋焦がれていたように思える、怪奇な現象。
今回はそんな話をしてみようかと思う。
就職し、ようやく少し仕事に慣れてきたあの頃。
同居していた祖父が亡くな
っ
た。
冬の寒さが一段と厳しか
っ
た2月の出来事だ
っ
た。
昔からかわいが
っ
てもら
っ
た記憶しかない祖父の訃報は、真夜中の電話で知ることとなる。
実は祖父が亡くなるまで、身近な人間が死ぬ経験を今までにしたことがなか
っ
た。
それはシ
ョ
ッ
クという言葉では簡単に説明できない、なんともいえない気持ちにな
っ
たのを覚えている。
気がつくと、あ
っ
という間に通夜や葬式になり、そして火葬へ。
人というのはこうもあ
っ
けなく、いなくな
っ
てしまうのかと知
っ
たのもこの時だ
っ
た。
そうした細々とした手続きや粛々と行われた式も落ち着いたとある日。
私と母は近所の家々へあいさつ回りにい
っ
たのだ
っ
た。
あいさつと言
っ
ても、生前はお世話になりました、という程度の簡単なものであ
っ
た。
そして最後に自宅の隣人へ挨拶へ伺
っ
た時、その不思議な出来事は起こ
っ
た。
「…そうなんです、や
っ
と落ち着いてきて…」と母が隣人と玄関先で話してる時だ。
不意に大きな音で
ピンポー
ン
と、チ
ャ
イムが鳴
っ
た。
会話が一瞬にして沈黙する。
誰も玄関のチ
ャ
イムを押すことができない状態なのは、隣人も母も、そしてその近くでその場を見守
っ
ていた私が一番わか
っ
ていることであ
っ
た。
え、何…?
お互い顔を見合わし、怪訝そうに少し怯えた顔をするそれぞれ。
誰も押してないチ
ャ
イムが鳴る、しかも故人の話をしている矢先の出来事。
私が待ち望んでいた初めての不可思議な現象はこうや
っ
て何の前触れもなくや
っ
てきたのである。
不思議とさほど怖くなか
っ
たのを覚えている。
怖さよりも驚きと、実際に自分の目の前で起こ
っ
た不思議な出来事にただただ驚いたのだ。
挨拶もそこそこにその場を離れた母と私。
母がぼそ
っ
と一言、私に話しかけた。
「もしかして、おじいち
ゃ
んが来たのかな?」
他人の隣人には恐ろしか
っ
ただろう出来事は、母のその一言で空気が変わり、私たちは少しほほえみながら家へもど
っ
たのである。
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