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第24回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉
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サプライズはディナーのあとで
 投稿時刻 : 2014.12.13 23:53 最終更新 : 2014.12.13 23:57
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更新履歴
- 2014.12.13 23:57:26
- 2014.12.13 23:53:01
サプライズはディナーのあとで
永坂暖日


 紅茶よりコーヒー派と言うわりに、彼女はブラクは飲めない。苦くてダメらしい。
 だたら飲まなければいいのにと思うが、砂糖をたぷり入れたカフラテが好きなのだと言て、スタークスでラテを飲むときにはたぷりとガムシロプを入れている。
 そんなに甘いのが好きなら、もういそのことケーキかアイスでも食べていればよかろう。
 ある日、呆れてとうとうそう言たら、コーヒーも飲みたいの、と言われた。ちと拗ねた口調がかわいかたから許してあげよう。
 彼女のそんな子供ぽくもかわいいところがかわいいと思うが口にはしないわたしと、彼女がいわゆる男女交際を始めて二年。交際をするにあたてあらかじめ契約書を取り交わしたりはしていないが、年齢的なこともあり、お互い結婚を意識して交際を始めた。だがしかし、それはわたし一人の思い込みかもしれず、口頭ですら確認をとていないので事前に確認はしておく方がいいと思われる。そこで、一緒にいるときの彼女の行動や発言を観察し分析したところ、わたし一人の思い込みではなさそうだと判断した。
 よて、クリスマス・イブの夜にホテルのデナーなんぞを柄にもなく予約した。
 白いテーブルクロスを掛けられたテーブルの真ん中にキンドルがあり、雰囲気演出はなかなかのもの。見回せば、どのテーブルもわたしたちのような男女二人組ばかり。クリスマス・イブの今夜、ここと同じような客構成のレストランはさぞかし多いことだろう。
 おいしい食事に舌鼓をうち、出されたワインでほんのりと顔を赤くする彼女は、すぴんでもかわいいが、今夜はいつにもましてかわいく見える。わたしが柄にもなくクリスマス・イブの夜にデナーへ行こうと誘たから、素直にはしいでいるようだ。
 食後に出されたコーヒーに、わたしは手を加えず、彼女はミルクとガムシロプをたぷりと入れた。ここでもやはりカフラテなのだ。
 コース料理のどれが美味しかたと、皿が運ばれてくるたびに撮た写真をわたしに見せて、楽しそうに話す。
 さて、そろそろ本題に入りたい。話がひとしきり終わる頃、わたしはコーヒーをとくに飲み終えて、お冷やを頂いていた。
 まずはこれである。テーブルの下に隠し持ていた花束を取り出すと、彼女に差し出した。
 目を丸くして口元に手を当て、彼女は満面の笑みでそれを受け取る。花束に顔を近付けてにおいを吸い込み、また嬉しそうな顔をする。喜んでいるのが非常にわかりやすく、かわいらしい。
 わたしも、と彼女がハンドバグからなにかを取り出そうとしているが、実は花束は前座である。おそらくクリスマスプレゼントであろう品物を取り出すのを彼女には一時的にやめてもらい、わたしは背広のポケトから本題を取り出した。
 掌に収まる小箱を彼女に見せ、ふたを開ける。ベタであるが、中に入ているのは白銀の環に炭素の塊が飾り付けられている指輪だた。
 黒い羊。彼女は意味不明な呟きをこぼし、ついでに涙も一粒、ぽろりとこぼした。
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