エントリー作品◆第70回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉ぽろぽろ(1000字)投稿時刻 : 2022.08.14 01:20最終更新 : 2022.08.14 01:32こんなに泣いたコンサートは初めてだ、と同居人の伽耶さんが言う。
昨日遅く帰宅した後ずっと無口で、すぐに部屋に入りそのまま引きこもっていたか...
◆第67回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動10周年記念〉それは卵(1115字)投稿時刻 : 2022.02.19 23:45赤ん坊を産んだ直後 美咲は居なくなった。病院のベッドは空だった。
出産はスムーズだったはずなのに 産声を聞くより先に気を失っていたらしい。 ...
◆第65回 てきすとぽい杯大きな地震のあった日の話(1152字)投稿時刻 : 2021.10.16 23:57大きなおなかを抱えて 年末の引っ越しは大変だった。
第一子誕生とその成長ぶりなど色々な思い出の詰まった2DKのハイツだったけれ...
◆第64回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉眠れぬ夜に(1000字)投稿時刻 : 2021.08.22 00:04最終更新 : 2021.08.22 08:06エアコンが壊れている。カタカタと嫌な音がしていると思ったら、風も来なくなった。携帯用の小型扇風機も過酷な使用に耐えられず、命尽きた。 ...
◆第16回 文藝マガジン文戯杯「秋の味覚」柿の実 猫の木 ヨリの庭(6425字)投稿時刻 : 2021.07.24 14:54最終更新 : 2021.08.03 02:05「『庭の柿』だよ。凄いでしょ」
ビニールの袋にどっさり入れて それをうちに持ち込んだのは幼馴染のひよりだ。 ...
◆第63回 てきすとぽい杯父の日(1273字)投稿時刻 : 2021.06.19 23:36最終更新 : 2021.06.19 23:39父の日だから 私の実家でお寿司でも食べようと思っている、とLINEしたら 結婚1年目の長女の桃実が即 「行くよ」と返事をしてきた。 ...
◆第15回 文藝マガジン文戯杯「船」草の波 夕暮れの船 (5585字)投稿時刻 : 2021.05.07 23:44最終更新 : 2021.05.21 01:10「船だ」
自転車を降りて、始めに呟いたのは有理だ。 ...
◆第14回 文藝マガジン文戯杯「花言葉」終点の氷細工屋(6769字)投稿時刻 : 2021.01.17 11:23最終更新 : 2021.01.19 08:35 誰かの呼ぶ声が聞こえる。
寂しげな笛のような音が遠く響く。振り向いてあたりを見回しても誰もいない。細...
◆第59回 てきすとぽい杯金木犀(546字)投稿時刻 : 2020.10.17 23:28最終更新 : 2020.10.17 23:39窓を開けると花の香が漂ってきた。あれは金木犀。
夜になると余計に匂いがわかるのね。 ...
◆第13回 文藝マガジン文戯杯「結晶」OUR HOUSE(7421字)投稿時刻 : 2020.10.16 21:33最終更新 : 2020.10.17 15:15── 何が間違いだったのか
* ...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・後編〉泣き女~夏の終わり・最後の蝉(1087字)投稿時刻 : 2020.09.05 01:40最終更新 : 2020.09.05 09:21「実は知り合いだったとか?」
斎場の庭の玉砂利を踏む音がして、後ろから声がした。 ...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・後編〉ぴえん~たましいの居るところ(2315字)投稿時刻 : 2020.08.24 15:59最終更新 : 2020.08.24 20:29「ぴえん」──涙のことを教えてもらったのはいつだったでしょうか。
ずっと昔のような気もしますし、ほんの少し前のような気もします。 ...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・前編〉四葉のクローバー(1903字)投稿時刻 : 2020.08.22 00:17最終更新 : 2020.08.22 07:12「いっぺん 泣いて」
教室の隅にわざわざ呼ぶから何かと思ったら 手を合わせて智樹は言った。 ...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・前編〉泣き女(2101字)投稿時刻 : 2020.08.08 22:39最終更新 : 2020.08.14 12:38祖母の葬式に来た婆さんは 棺に近づくと祖母の名前を呼びながら膝をつき、おんおん泣いた。 ...
◆第56回 てきすとぽい杯一年(574字)投稿時刻 : 2020.04.18 23:53最終更新 : 2020.04.18 23:56彼は旅に出ると言いました。
震えながら どのくらい?と聞くと とりあえず一年くらい、かな、と彼は答えま...
◆第11回 文藝マガジン文戯杯「あの世」此岸の蜉蝣(5455字)投稿時刻 : 2020.05.02 14:00最終更新 : 2020.05.03 08:07──池の向こう側が彼岸
──ひがん? ...
◆第10回 文藝マガジン文戯杯「気づいて、先輩!」たすけ舟の家(4546字)投稿時刻 : 2020.02.07 17:14最終更新 : 2020.02.07 17:22 その家は「こども一一〇番の家」だった。子供が身を護る時に、頼っていいという「助け舟」になる家だ。 ...
◆第54回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉メリークリスマスの冷蔵庫(1769字)投稿時刻 : 2019.12.14 23:57最終更新 : 2019.12.15 00:02クリスマスイヴだというのに 今朝もあいかわらず 味噌汁の香で目が覚める。
まだ眠い。トントンと沢庵を切る音。大根をおろす音。 ...
◆第9回 文藝マガジン文戯杯「お薬」マトリョーシカのくすり箱(3826字)投稿時刻 : 2019.10.25 20:20最終更新 : 2019.10.27 00:00苦しい時は 水色のおくすり。さあ、落ち着いた。
勇気が出るように 赤いおくすり。お顔を上げて 胸張って。 ...
◆第52回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉麦畑(1000字)投稿時刻 : 2019.08.18 13:39最終更新 : 2019.08.18 13:55私はただそこに在る。
空が高く美しく澄んでいる時も、雲の垂れこめる暗い空の下でも。 ...
◆第51回 てきすとぽい杯トキタさんの鍵(907字)投稿時刻 : 2019.06.15 23:59最終更新 : 2019.06.16 00:14「トキタさんからお預かりした鍵ですが、お返ししておいてくださいませんか」
管理人の下川さんのところにやって来たのは 品の良い白髪の女性だった。 ...
◆遊び場出発のとき(362字)投稿時刻 : 2019.05.17 20:02最終更新 : 2019.05.19 02:26じゃあね。
うん。 ...
◆第7回 文藝マガジン文戯杯「COLORS」ひまわりの庭(4203字)投稿時刻 : 2019.04.27 11:42最終更新 : 2019.05.29 21:02 世界から音が消えた。いきなり耳が聞こえなくなったのだ。
母の葬儀の後、実家の片付けも一段落して、押しかけ同居人の義人と 穏やかに...
◆第50回 てきすとぽい杯ガラスの靴の魔法は解けない(607字)投稿時刻 : 2019.04.14 00:31最終更新 : 2019.04.14 00:44「忘れ物をしました。その靴は、これから私を幸せにつなげてくれるはず。」
老女は同じ言葉を繰り返す。なるほど、片方の靴がない。 ...
◆3月うさぎの「スイーツ感想」お茶会スイーツバイキングにはもう行かない(2534字)投稿時刻 : 2019.03.22 11:17最終更新 : 2019.03.27 22:43 週末にスイーツバイキングに行くから付き合えと鈴が言った。そんなところは女子同士で行った方が楽しいのではと、蒼汰はやんわり断ったが、鈴に押し切られた。 ...