てきすとぽい
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第34回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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僕んちの美桜ちゃん
(
住谷 ねこ
)
投稿時刻 : 2016.08.20 22:40
最終更新 : 2016.08.21 12:54
字数 : 1000
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更新履歴
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2016/08/21 12:54:50
-
2016/08/20 22:40:44
僕んちの美桜ちゃん
住谷 ねこ
「美桜ち
ゃ
んがいない!」
と、薫ち
ゃ
んが叫んだのはフー
ドコー
トのテー
ブルに
ラー
メンと、ドー
ナツとクリー
ムソー
ダとカレー
とたこやきが揃
っ
て
水を取りに行こうとした時だ
っ
た。
「あれ? いまさ
っ
きここにいなか
っ
た?」
薫ち
ゃ
んは、半泣きにな
っ
て首を振る。
「だ
っ
て、美桜ち
ゃ
んはクリー
ムソー
ダね
っ
て言
っ
たよね?」
僕達はクリー
ムソー
ダは飲まない。
僕はクリー
ムが嫌いだし
薫ち
ゃ
んは炭酸がダメだからだ。
でも僕らの長女、美桜ち
ゃ
んはクリー
ムソー
ダが大好物で
何食べる?と聞くと必ずクリー
ムソー
ダと言う。
「美桜ち
ゃ
んが言
っ
たわけじ
ゃ
なくて先回りして私が頼んだの」
「ええ
っ
」
ぐるりと周りを見渡す。
どこもかしこも人だらけだ。
今日は夏休みでお盆で日曜でどこへ行
っ
ても
近所のスー
パー
でさえ駐車場に長蛇の列ができるほど混むのに
ここは最近できたばかりの大型シ
ョ
ッ
ピングモー
ルで
しかも昼時だ。
フー
ドコー
ト内はめち
ゃ
くち
ゃ
な混みようで、や
っ
と見つけたテー
ブルに荷物を置いて、僕があれこれ買い揃えてくることにな
っ
た。
僕はて
っ
きり薫ち
ゃ
んが一緒にいると思
っ
ていたが
薫ち
ゃ
んは幼稚園に行くようにな
っ
て
め
っ
きり奇心旺盛な美桜ち
ゃ
んは僕にく
っ
ついて行
っ
たと思
っ
ていたらしい。
「どうしよう
……
」
「大丈夫だよ。美桜ち
ゃ
んは名前も言えるし、住所も言えるし」
「ち
ょ
っ
と見てくるから、ここで待
っ
てて」
僕には心当たりがあ
っ
た。
今日、ここへ来て美桜ち
ゃ
んが一番興味を示した場所。
入口のホー
ルにあ
っ
た遊具だ。ケー
キやジ
ュ
ー
スの形をした大きなオブジ
ェ
で。本物そ
っ
くりに作
っ
てあ
っ
て、中に入
っ
たり、上に乗
っ
たりしてお菓子の国みたいだ
っ
た。
「私も行く!」
「いや、荷物もあるからここにいた方がいいよ」
不安げな薫ち
ゃ
んを残して探しに行こうとしたその矢先。
---ぽんぽんぽんぽー
ー
ー
ー
ん---
迷子のお知らせを致します。
高橋 裕様、薫様。
美桜様がお待ちです。
お近くのインフ
ォ
メー
シ
ョ
ンまでおいで下さい。
「
……
!」
僕達は顔を見合わせ、慌てて荷物を持
っ
て
一番近いインフ
ォ
メー
シ
ョ
ンに走
っ
た。
そこからすぐそばの小部屋に案内されると口にチ
ョ
コレー
トをく
っ
つけた美桜ち
ゃ
んが振り向いた。
「だめじ
ゃ
ん! 勝手にど
っ
かい
っ
たら! 探したんだからね!」
呆然とする僕達に係の女性がにこにこと説明する。
「し
っ
かりしたお嬢さんですね。
お一人で来て父と母が迷子にな
っ
たから
っ
て、探して下さい
っ
て言いに来たんですよ」
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