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あなたは足元は確認せずそのまま走った。きっと何か危険なものを踏んだのだ。すぐにでもその場を離れるべきだと考えた。
ところがすぐに胸が熱くなった。ごぼ、と喉の奥から何かが溢れてくる。胸に手を当てると、黒く血塗られているのがわかった。訳もわからないまま血がどろどろと流れている。
キキキキキと暗闇を引き裂く声が、目と鼻の先から聞こえる。ぎょろりとふたつの目を向けた、爪の長い魔物がそこにはいた。
ああ、こんなものがいるところに、あなたは突っ込んでいってしまったのか。
遠のいていく意識のなかで、あなたは自らの浅はかさを恨んだ。
GAME OVER