第9回 てきすとぽい杯
 1  2  3 «〔 作品4 〕» 5  12 
みたびかよたびかわすれましたがしょうせつのかきかたをわすれました。
投稿時刻 : 2013.09.21 23:26 最終更新 : 2013.09.21 23:33
字数 : 1709
5
投票しない
更新履歴
- 2013/09/21 23:33:47
- 2013/09/21 23:28:14
- 2013/09/21 23:26:48
みたびかよたびかわすれましたがしょうせつのかきかたをわすれました。
ひやとい


 東京のとある貧民層窟に、日雇いくんという人が住んでいました。
 日雇いくんは基本的には小説が好きなのですが、飽きぽい上に気まぐれなので、最近は将棋倶楽部24でネト対戦ばかりしていて、すかり小説の書き方を忘れてしまいました。
 そんな日雇いくんをさておき、ネト小説界ではてきすとぽいがしみじみと隆盛、主催杯も第8回を迎え、老舗の投稿サイトとして十年続いたアリの穴もなくなた今、次世代投稿サイトとしての役割を果たしつつあるところでした。
 ある日、日雇いくんはよせばいいのに将棋を6時間も指し続け、おまけに負けてばかりいてすかり疲れてしまたので、気分転換にツイターを見ることにしました。
 すると、『第9回てきすとぽい杯』の文字が見えました。
「あ、そういえばそんなものがあたなあ。たまには書いてみるかあ。なんたて本業だもんね」
 誰にも認められていないというのに、日雇いくんはどういうわけか、十年前から小説を書くのが本業だと勝手に思い込み、親兄弟や友人に迷惑をかけ続けていました。
 しかしあまりに認められないので、ついには小説どころか人生にも飽き、もういつ死んでもいいやでも痛いとか苦しいとかはやだなあラクしてトクしてイタダキたいなあと、好き勝手なことをほざいていました。
「ようし、たまにはこの超絶技巧の俺様が書いてやるかあ! 皆の者、傑作を眼前に出来る事をありがたく思え!」
 ということで日雇いくんは、お題を見てみました。
「父のスーツ? ……………………さすがの俺様も、このお題で面白いものが、果たして書けるもんかなあ」
 日雇いくんはとりあえずお題に沿たものを考えてみましたが、洋服の青山がどうしたとか、都営荒川線沿いを歩いた時コナカで見た洋服が安かたなあとか、その店の前に置かれていた服を持てそのまま逃げればうまいこと手に入れたれたかもなあとか、あああの時自転車乗てりよかたとか、とにかくろくなことを思いつきません。
「もういいや! お題が悪いしめんどくなたし寝よう」
 加齢による衰えと勉強不足を棚に上げ、日雇いくんは睡眠薬を飲むとそのまま寝てしまいました。
 次の日、夕方まで寝ていた日雇いくんは起きるとすぐ将棋倶楽部24で将棋を指しましたが、やはり負けまくてばかりいるので飽きてしまい、いやらしい無料動画を堪能した後、ふと、ぽい杯のてきすとぽいを思い出しました。
「ああ、そういえばぽい杯どうなけ」
 さそくページを見てみると、みんな普段から書き慣れているだけあて、どれも出来のいいものばかりでした。
 しかし日雇いくんは性格がひねくれまがているので、素直にみんなの出来を認めることができませんでした。
「ふん! 俺様が本気出せば、こんなのより面白いもの書けるわ! 死ね! 死ね! みんな死ね!」
 日雇いくんは怒りを顕にすると、そのままふて寝してしまいました。

 そして数日が過ぎた頃、てきすとぽいでは第9回の結果発表が行われました。
「ああやぱりあいつか。出来がよかたもんなあ……
 あいかわらず将棋で負け続けた後ツイターを通して結果をみた日雇いくんは、人の成果を否定した事も忘れ、しみじみと優勝作の出来を思い返しました。
「父のスー……チのスーツだたらよかたのになあ。」
 普段からくだらないダジレを言てまわりを辟易させている日雇いくんはそう口ずさむと、小学生の頃お姉さんが買てきたちいさな恋の物語の何巻かに出てきた絵を思い浮かべました。
 すると、こんな疑問が湧きました。
「チて、スーツ着てたことあけ?」
 さそく日雇いくんは、インターンメトもといインタートで有名なグーグルというサイトに行きチチのスーツについて検索を開始ようするにぐぐることにしました。
 しかしあまりに写真が多すぎてめんどくさくなてしまい疲れてしまたので、もういいやとふて寝してしまいました。
「考えてみたら、そんなこと知てもどうでもいいもんな。ちて感じだぜ」
 日雇いくんは右手人差し指を左右(寝ころがてしまていたので上下かもしれませんが)に振ると、そのまま翌日の夜までぐすりと眠てしまいました。
 めでたしめでたし。 
← 前の作品へ
次の作品へ →
5 投票しない