クリスマスイヴぼっち小説大賞&ぼっちついのべ
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真っ赤に染まったシングルベル
投稿時刻 : 2013.12.24 23:22 最終更新 : 2013.12.25 00:36
字数 : 3639
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目次
1. ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る♪
2. 友情に免じてちょっと付き合ってくれと、電話越しにアンジーに頼まれた。午後五時過ぎ、外はすっかり暗
3. 「別れたい」
4. 「無茶言わないでよ!」
5. 頭全体が熱を持っていて、ぐわんぐわんとひどい頭痛がした。
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更新履歴
- 2013/12/25 00:36:27
- 2013/12/25 00:19:15
- 2013/12/24 23:22:37
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「別れたい」
 目を覚ましたのは午後二時過ぎだた。でもて起きた早々、そう宣告された。
 その瞬間、俺が思たことは二つだ。
 人の家で一晩明かしたあとに言うな。
 でもて何よりも、もと早く言え。こんな日に――クリスマス・イブなんかにわざわざ言うな。
「昨日の今日でそれはないんじないの?」
 ソフドに敷きぱなしの煎餅布団から裸の上半身を出したままタバコをふかしつつ、ささと身支度を整えた美咲を見上げた。
 長くてますぐな黒髪。大きな目。長いまつ毛。目鼻立ちのはきりした意志の強そうな顔。初めて出会たのは、新宿歌舞伎町の一角にある薄暗い飲み屋。心もとない照明の下でもその顔は強烈な印象を俺の中に刻んだ。いかにも扱いにくそうなところもまた、好みだた。井岡佑香みたいな、従順な忠犬タイプではない。素気ない猫みたいな女。毛並みのいい、すとした手足が細い黒猫。
「理由は?」
 すと伸びてきたその手に、くわえていたタバコを取られた。まだ半分以上残ていたタバコは、テーブルの上の吸い殻ですでにいぱいの灰皿に押しつけられる。
「こういうところ」
 じあね。俺には美咲の言いたいことも言ていることも何一つも理解できないのだが、言うだけ言たという態で美咲は部屋を出ていこうとする。勝手な奴。でもそれはお互いさまという気もしてきて。
 だたら、こちも勝手にするだけの話。
――待てよ!」
 布団を跳ねのけ、その細い腕を思い切り掴んだ。やめてよ、とかなんとか言て彼女が身を捩る。が、仮にも男である俺がそんなか弱い力に負けるわけがない。自分の力を誇示するように、美咲を引き寄せるつもりで俺はその腕を引いた。
 美咲の体が床を滑たのと、テーブルがごつと鈍い音を立てたのと、灰皿の吸い殻が宙を待て辺りに散らばたのは同時だた。少し遅れて、ガシンと派手な音を立てて百円シプで買た白いお皿が割れる。あ、そういや昨日の夜、一日早いけどケーキ食べたんだ――なんて、ぼんやりと思い出した。
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