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俺は、逃走中だった。
すでに殺した後だったんだから、更にもう一人殺そうが二人殺そうが同じだった。
現場の防犯カメラは、あらかじめテープで隠してあったから、俺の犯行はばれないはずだ。
ただ、あの場所にいつづける理由はもはやない。
暇つぶしで人を殺したっていいじゃないか。いやこれは、俺の性癖なのかもしれない。だとしたら仕方ないじゃないか。
そんな奴も世の中にはいるのだ。俺だって俺の人生を生きてるんだ。
と、そう思いながら、この教会に来る道を進んでいた途中、よく見知ったコンビニの灯りが、目に入ったんだ。
中ではもう一人の従業員は、休憩中なのか、一人で働いている店員の姿が見えた。他にこの時間帯、客もいない。
閃くものがあって、俺はその中に入っていった。
俺は、入り口近くの商品棚にあった、カッターを手にとってね。
そのまま、一人で作業をしている店員に近づいて、こう言ったんだ。
「向こうのセブンの店員です。さっきシフトで店に向かったら、不振な男が、俺の同僚を殺して、運搬車に詰めてたんです。俺……その男はこのカッターも持ってて……俺、死に物狂いで戦って、相手を……どうなったかは分からないんですけど、助けてください!!」
って。
そしたらそのローソンの店員は、血相変えて、「とにかく様子を見に行くから、ここで安全にしていてください」
って俺をおいていってな。
まさか大人しくしてるわけないだろ?
少しでも時間を稼ぐために、俺はすぐにローソンを出たよ。