第25回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動3周年記念〉
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コンビニ店員
るぞ
投稿時刻 : 2015.02.14 23:35 最終更新 : 2015.02.14 23:43
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コンビニ店員
るぞ


 私、セブンイレブンで、深夜のアルバイトを日・水・金でやておりまして。
 え、その時のことは、よーく憶えておりますよ。
 深夜のお客様は少ないですからね。
 その時は、丁度冷凍室へナマ物を載せた運搬用の台車を押して、搬入しようとしていたところだたんです。
 そうしたら、いきなり、私より背が多分10センチくらいでしうかね、高い同い年くらいの男性が入てこられまして。
 売り物のカターを突然開封して、私に向かて「動くな!! 両手を挙げろ」て突きつけてこられたんです。
 そりもう、びくりしましたよ。
 とりあえず両手を上にはしましたけど、このままじいけないと思いましてね。
「レジへ行かないとお金はあげられません」て言たんですが「そんなことはどうでもいい」と言われてしまいまして。
「人を一人殺した奴にとては、二人目なんて、理由なく殺せるもんだ」て、その人言たんです。
 私が「どうすればいいんですか?」と聞いたら、「動くな、俺の前を歩け、レジの方へ」て、カター突きつけられたままあるかされまして。
 でも私、とさに……こう挙げていた手を、陳列してある商品の棚の、一番上の部分、あれにぶつけて、侵入者の頭の上にありたけの商品を落としてやりました。
 当然、彼は怯みましてね。
 で、その隙に私は距離を取て、その……最近はうち、野菜とかも売てるんですけどもね、野菜を入れてあるタライ、あれを持ち上げて、野菜とか入たまま、思いきり相手の頭に打ちつけまして。
 完全に怯んだ相手から、カターを取り上げようとしたんですが、まだ必死に振り回そうとしていたんで、二度三度、なんどもタライで頭をなぐりまして。
 最後はタライがあたた時に、その勢いで彼自身のカターが、こう……彼に突き刺さてしまいまして。
 死んで……なければ良いのですがね。血て、刺さり場所によては、赤いんですね。もと黒色なのには、日常生活でもお目にかかるし慣れていたんですが、赤い血は確か切たらとまらなくてやばい奴ですよね。
 多分……彼はもう駄目でしうね。
 気の毒に……
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 俺は、逃走中だた。
 すでに殺した後だたんだから、更にもう一人殺そうが二人殺そうが同じだた。
 現場の防犯カメラは、あらかじめテープで隠してあたから、俺の犯行はばれないはずだ。
 ただ、あの場所にいつづける理由はもはやない。
 暇つぶしで人を殺したていいじないか。いやこれは、俺の性癖なのかもしれない。だとしたら仕方ないじないか。
 そんな奴も世の中にはいるのだ。俺だて俺の人生を生きてるんだ。
 と、そう思いながら、この教会に来る道を進んでいた途中、よく見知たコンビニの灯りが、目に入たんだ。
 中ではもう一人の従業員は、休憩中なのか、一人で働いている店員の姿が見えた。他にこの時間帯、客もいない。
 閃くものがあて、俺はその中に入ていた。
 俺は、入り口近くの商品棚にあた、カターを手にとてね。
 そのまま、一人で作業をしている店員に近づいて、こう言たんだ。
「向こうのセブンの店員です。さきシフトで店に向かたら、不振な男が、俺の同僚を殺して、運搬車に詰めてたんです。俺……その男はこのカターも持てて……俺、死に物狂いで戦て、相手を……どうなたかは分からないんですけど、助けてください!!」
て。
そしたらそのローソンの店員は、血相変えて、「とにかく様子を見に行くから、ここで安全にしていてください」
 て俺をおいていてな。
 まさか大人しくしてるわけないだろ?
 少しでも時間を稼ぐために、俺はすぐにローソンを出たよ。
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「なるほど。監視カメラはその男が細工した、同僚をあらかじめ殺すために、自分はそこへ鉢合わせただけ、という筋書きですか……
「それにしても、日本の教会でも、こうやて懺悔て聞いてくれるんだな。神父さんて、警察には言わないでいてくれるんだけか。自首するかどうかは、ま、これから決めるよ」
 私は懺悔室で、その男の告白の内容を理解した。
 彼がその気にならなければ、真相は永遠に藪の中になてしまうのだろう。しかし、告解は警察にも他言しないように誓約している。これは秘蹟なのだから、警察にも言えないことだ。
「それにしても……本当に、人格が切り替わるみたいに、話し方が変わりますね」
「なんつーか、俺その時の自分のモードになた方が、その時のこと思い出して喋りやすいんだよ」
「それにしたて、声のトーンまで、あなた完全に別人でしたし」
「なんなら、もういぺんお披露目してやろうか?」
 濁声がやみ、少し間を空けると、溌剌としたまるで別人のような澄んだ声で、男は再びしべりだした。
 懺悔質の構造上、顔まではきりとは見えないが、セブンイレブンのエプロンをしたその男は、きとそれはそれはにこりと営業用の笑顔でいるのだろう。
「え、え、焦りましたよ。あの時は。暇つぶしに絞殺した同僚を、運搬車に詰めて冷凍室へ運ぼうとした、その矢先に入てきたお客さんに目撃されてしまた、その時は……。一人殺した者は二人でも殺す、て実に名言でしたね。え、彼が私にした警戒は、とても正しかた。間が抜けていたのが、彼の運のつきでしたが……面白い人だたんで、残念です」
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