第2回200文字小説コンテスト
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魂のエトランゼ
投稿時刻 : 2018.04.03 22:25
字数 : 200
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魂のエトランゼ
ポキール尻ピッタン


 ロードノイズと風切り音が鼓膜を震わせている。照明灯が次々に視界の外へ流れていく。センターラインは真直ぐ行き先を示しながら小刻みに揺れる。先行する車も対向車もなく、この車だけが進んでいる。
 うすらとした記憶の名残がある。接近する中央分離帯。回転する風景。白い膜が顔を覆う。あれだけの衝撃と騒音だたのに、いまは低いノイズが静かに流れているだけだ。
 遠くに電波塔の灯り。走り続けているのに、辿り着かない。
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