第6回 文藝マガジン文戯杯「劇中劇」主催 : 文藝マガジン「文戯」編集部



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放課後デスゲーム
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『放課後デスゲーム』にコメント
2019.03.02 02:57

※ 作品のネタバレを含む
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大人数で話の根幹から作品作りをしようとすると、こんな風に中々まとまらずに話が右往左往してしまいますよね。そういうぐだぐだしながらも徐々に進んでいく会話の流れを、丹念に再現されていて、気づけば引き込まれている作品でした。
こういう、何人登場しているのかも分からない、会話だけがだらーっと進んでいく作品が好みでして、この作品もそのツボをうまく押さえていて良かったです。カワイイ系男子部員や女生徒ユウキのように、会話の流れで特に説明もなく人物像が出てくるのも面白いですね。
ただ細かい点ですが、カワイイ系男子の口調が最初に出たときは敬語で、後の発言では普通の友達口調になっていたところが気になりました。おそらく敬語の発言のほうは部長ともうひとりの先輩生徒に向けて話したから敬語になったのでしょうが、部長以外の台詞は判別がつきにくいため、後の「で、主人公の男の娘と恋に落ちる」が先輩の発言なのかどうかわからず、それなのにカワイイ系男子のほうは口調が変わっているため少しひっかかりを覚えました。意図してキャラをブレさせた演出と捉えることも可能ですが、そうでないなら口調を合わせるか、口調を変えても違和感の出にくい補正が欲しかったなと思います。

ラストになって本文が一転、台本の形式に様変わりし、全文が作中作であったと気付かせる手も堅実ながら良いですね。本文中で繰り返された「と部長」などの表現がラストの台本形式との違いを明確にしていて、うまく機能していると思いました。
パロディネタも豊富で、数々の作品名の出し方も単純に笑わせるためのパロディというよりは会話の中で自然に出てくるような使い方が主になっていて、作品の雰囲気に忠実であろうという印象があって良かったです。その中で「ウルトラマン方式ね」などのようにふいに笑わせてくる点もあり。またパロディではありませんが「授業中にスカしっぺした犯人を見つけるために殺し合いすんの?」というツッコミが個人的に好みです。


誤字等報告。
「素早居検索くん」→素早い? あるいは苗字をもじった表現でしたらすみません。
「『RDGの和宮』」→『RDG』の和宮
「女の子がいいんじゃない?。」→"。"が入り込んでいます。
「とカワイイ系男子部員」→"。"がありません。
「自殺したこのことを」→自殺した子のことを
「じゃあこいうのは?」→じゃあこういうのは?
「どこまでグロもってこれるかだな」→グロく?
「指差すのを」「指を指し」→「差す」「指す」の近い距離での表記揺れ
「しちおうよ」→しちゃおうよ

「ノートを差し出す『へ? なにこれ』
『テスト範囲のノートです。私もう暗記したから』」
→「差し出す」の後に"。"がありません。
 また『へ? なにこれ』の後の改行が意図したものに見えなかったので一応報告しておきます。

「ショパン」→半角になっています。急に半角カタカナで別れの曲が流れたのが、異次元(作中作)からの転換を思わせて面白い表現だなとも思ったのですが、意図したものかわからないので一応報告。

『反撥』にコメント
2019.03.02 03:00

※ 作品のネタバレを含む
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素敵なお話でした。寝起きから登校するまでの様子や母親とのやり取りなど、筆致から非常に空気感が出ていて、好みでした。
そういうリアリティある世界観を形成したうえで描かれる、友情。毎回小説を読んで褒めてくれる友人と、そのことを嬉しく思いながらも褒められてばかりであることに物足りなさを感じてしまう主人公。主人公が失言してしまってからの距離感の置き方や、そこから仲直りに至るまでの描写もとても丁寧ですね。スーパーという舞台設定を活かして、ウェブ小説と試食コーナーを対応させた台詞を言わせたのも上手かったと思います。
この作中作単体に関して言えば、今回の投稿作の中で一番面白かったです。

さて、しかしこの作品はタイトルの通り「反撥」がメインディッシュである、というかのように、上記のエピソードをまるまる作中作という枠に閉じ込めます。そしてそれを読んだ「友人」("僕"の友人)は、「まあ、ふつうかな」と真顔で答える。
ふたりの生徒の友情物語という個人的なエピソードが、作中作として距離を置かれさらに「まあ、ふつうかな」と評価を与えることによって、まるで作者と読者の感想の在り方全体を描き出したかのような、批評性を強めたエピソードに変わる。このオチにはそういう効果があるように思いました。
個人的には素直に終わらせたほうが後味は良かったのではないかと思うのですが、しかし一度築き上げた前提をなかったことにする作為自体は好みです。また、「すごく良かったよ。最後の場面を読むまで完全に騙されてた!」という作中作の一文目が、「作中作」の外であるラストと対応している構図は面白いですね。
誤字等も(おそらく)なく、丁寧さが感じられる良い作品でした。

『捕劇』にコメント
2019.03.02 03:29

※ 作品のネタバレを含む
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相変わらずの茶屋さん節のひねた発想と王道の書き筋という感じで、面白かったです。劇という寄生生物の設定や、それにつらなる捕劇師などの職の設定にワクワクしますし、ストーリーに合わせてその諸設定を出すタイミングが素晴らしいです。
また、劇の設定を活かして繰り出される、劇中と現実の往復が読んでいてとても楽しかったです。
鈴の音も余韻に響いて良いですね。

リズミカルな文章も安定して良かったですが、欲を言えば体言止めや短文を多用しすぎない戦闘描写をたまには読みたいなと思いました。飽きの話ですので、短い作品に対してどうこういうものでもないですが。

あと「撃誅戟」にフフッてなりました。


誤字等報告。
「世話しなく」→忙しなく
「いろんなもの演じてきました」→いろんなものを
「自分勝手の劇な劇」→自分勝手な劇?
「早まってくるのわかる」→早まってくるのが
「  劇は人に寄生することで進化してきた」→字下げが2マスになっています。
「天を乱し、血を荒れさせる」→地を?

『放課後デスゲーム』にコメント
2019.03.02 20:09

※ 作品のネタバレを含む
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自分で小説を書いているときの脳内を感じました。「この人をもっと過激にしたらどうなるだろう?」などと思ったことなど自分のことを考え、とても親近感がわきました。

『反撥』にコメント
2019.03.02 20:09

※ 作品のネタバレを含む
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冒頭でキャッチをかけてきたり、日常や所作の描写をそつなく入れたり……。世に言う起承転結などがとても上手で参考になるよい構成の作品でした。

『捕劇』にコメント
2019.03.02 20:11

※ 作品のネタバレを含む
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劇がどうなったのかわからない! と思ったとき、もしかしたら私も劇に捕らわれているのかもしれない……。

『反撥』返信コメント
2019.03.02 23:47

※ 作品のネタバレを含む
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とても丁寧な感想、本当にありがとうございます。
こちらの意図を、すべて汲んでもらえたような内容で、すごく嬉しいです!

オチについてですが。完成した後も、この作品がお題をクリアーしているのか、悩みました。
冒頭の一文との関連があるとはいえ、指摘の通り、作中作になってないほうが綺麗だと、私自身も感じています。
(お題のために)取ってつけた感が残ってしまったのは、私の実力不足です。

繰り返しになりますが、素敵な感想ありがとうございました。

『反撥』返信コメント
2019.03.02 23:54

※ 作品のネタバレを含む
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わざわざ、感想ありがとうございます!

言われて気づきました。起承転結という基本について、全く意識してませんでした。
「前半と後半で流れやテンポをちょっと変える」という意識しかなかったですw
でも褒めてもらえて嬉しいです!

『放課後デスゲーム』にコメント
2019.03.03 20:05

※ 作品のネタバレを含む
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とても面白かったです。「ゴドーを待ちながら」にメタフィクションを足した印象でした。
たまにある結論が出ない地獄のような会議を思い出して嫌になりました笑
演劇経験がある自分からするとツッコミどころもありましたが、男子部員が多くて羨ましいなと率直に思います。(どうでもいい感想)

『反撥』にコメント
2019.03.03 20:14

※ 作品のネタバレを含む
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登場人物が生き生きとしていて感心しました。性格が想像出来る言い回しに過不足無い描写が巧みでした。
私たちは並んで歩きはじめる。この過去形じゃない文章を入れたタイミングも気持ちよかったです。あ、サビが来たと高揚しました笑

『捕劇』にコメント
2019.03.03 20:24

※ 作品のネタバレを含む
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これは村上春樹のダンスダンスダンスですね笑
人が物語を求める本質を描きつつ劇の意味も考えさせる見事な構成です。すごく人生劇場でした。

『反撥』返信コメント
2019.03.03 21:45

※ 作品のネタバレを含む
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いつも感想ありがとうございます!

「私たちは並んで歩きはじめる」という一文、書いたことすら覚えてなくて、読み返しました。
言われてみると、そういう読み方ができますね。 なるほどです。
意識して書けていたら、ドヤ顔できたんですけど笑

一覧ページにコメント
2019.03.05 23:15

【一部の票の無効化と再集計のお知らせ】
こちらのイベントの一部の作品におきまして、同一の人物が所有するアカウントから複数票の投票が確認されましたため、先ほど、重複票の無効化と、投票結果の再集計を行いました。
この重複は、手違いだったとのことで、審査結果の意図的な操作などを狙った悪質なものではないと判断しまして、投票者ご本人に確認の上で、重複しない1票ずつを有効票として残させていただきました。

イベントにご参加の皆さまには、集計結果の確定までお待たせしてしまって申し訳ありません。
また、主催者さまには、結果発表や入賞作品の掲載手続きなどイベント進行の一時中断に、ご協力ありがとうございました。

票の集計期間 2019.02.25(月) 0時  ~  2019.03.04(月) 0時
作品の最短掲載期間 2021.12.31(金) まで[?]
投票方法 5段階方式(平均)
投票終了まで 票の推移を公開しない


イベントの主旨、注意点など

第6回文藝マガジン文戯杯を開催します。
文藝雑誌「文戯」春号に掲載する小説や詩等の作品を募集します。
掲載対象は投票平均点数上位の2作品(投稿作品数が5作品以下の場合)または3作品(投稿作品数が6作品以上の場合)になります。

【要項】
下記の条件を満たした作品。

1)物語の中で別の物語が進行する劇中劇(作中作)形式の作品。

2)小説は3000文字以上。
(長編詩や連作等の場合は、上記の文字数を400字詰原稿用紙に換算した枚数と同等以上の枚数にしてください)

【注意点】
■1次創作のみ。極端なエログロは選考対象外となります。
■雑誌には縦書きで掲載されますので、意図したもの以外は、アラビア数字は漢数字に、英字などの外国文字はカタカナ表記でお願いします。
■雑誌掲載にあたり、著作権は本人に帰属するものとします。また印税分配はありませんので、自己の発表の場やプロモーションだとお捉えください。なお掲載に至るまでのやり取りはTwitterのダイレクトメールで行いますので、相互フォローののち、雑誌発行までは文藝マガジン「文戯」編集部(@BungiNovel)のアカウントをリムーブまたはブロックしないようお願いします。連絡が取れない場合は掲載を見送らせていただきますのでご了承ください。


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